選考理由は「ベリーファスト」。日韓戦のジャパン両翼は福岡、藤田。
アジア5カ国対抗の韓国戦に向け、会見を行ったジョーンズHC(写真右)とゲームキャプテンの菊谷
(撮影:松本かおり)
若きスピードスターが両翼に名を連ねた。左が福岡堅樹。右が藤田慶和。エディー・ジョーンズ ヘッドコーチは、選出の理由を「ファスト。ベリー・ファスト」と語った。
5月4日に秩父宮ラグビー場で行われる『アジア5カ国対抗 2013』第3戦、対韓国代表の日本代表試合出場予定メンバーが発表された。昨日(5月1日)の練習で太腿のウラを痛めたWTB廣瀬俊朗主将は欠場し、ゲームキャプテンにFL菊谷崇。ジョーンズHCは「(アジア5カ国対抗で)いちばん強い相手と戦うチーム」と語った。
菊谷をリーダーに指名した理由について、「昨シーズンの途中で(ジャパンに)戻ってきてから、チームの再構築に影響力が大きい選手です」とした同HC。香港戦からのメンバー変更については、「山下(PR)、真壁(LO)はよくやっていたが、今回はベンチスタートからの後半の働きに期待したい」と語った。
「BKは若い。ただキャップ数は少ないけど、日本の将来につながる。いい準備をしてきました。韓国戦は重要な試合です。(この春の)ひとつめのターゲット。これを終えて、次のトーナメントへ進んでいきたい」
速さを選出理由に挙げた両翼については、まだ、厳しい目で見つめていくことも付け加えた。
「福岡はコンディションが戻ったので(あらためて)試したい。藤田についても、WTBがいいのかFBがいいのか、見極めていこうと思います」
福岡について、かねてから「聡明」という言葉を使い、その態度を高く評価してきた同HCは、藤田についても最近の変化について語った。
「ジュニア・ジャパンではあまりいい状態ではありませんでしたが、帰国した後に一度話す機会がありました。それから変わり、よくなった。だからピックアップしました。(よい選手というのは)コーチに言われるがままではダメです。自分でやらなければいけないことをみつけ、それに励む。(藤田は)そうなってきたように思います」
菊谷ゲームキャプテンは、「若いBKでしっかり点をとってほしい(笑)。ふたりとも、すばらしいスキルを持っていると思います。しかし、それを80分間コンスタントに出せるかどうかが難しい。韓国のWTBも足が速いと聞いています。(僕らが)内側からサポートしてあげたい」と後押しを誓った。
先週末の香港代表戦から全員が入れ替わったフロントローについて、「スクラム、ラインアウトでのリフト、ロータックルを期待します。浅原はタイトヘッドのスペシャリストですが、ルースヘッドでもやれるでしょう。畠山はよくやっています。体重も5キロ増えた。韓国は重いスクラムです。うまく、賢く組んでいく必要がある」と語った指揮官は、「ジャパンが向かっている方向を示す戦いをする」。目の前の戦いに集中することを重ね、春シーズン最大のターゲット=ウエールズ戦まで、進化し続ける姿勢をあらためて強調した。