腕ぶすナイサン・ヒラヤマ。7人制ジャパンの初戦、カナダは充実。
日本でのホームタウンは東京。たくましさを増したナイサン・ヒラヤマ(左)
明日から始まる『TOKYO SEVENS 2013』。ジャパンと戦う最初の相手・カナダは、都内で1時間弱の練習をおこなった(他にNZ、フランスと同組)。
キックオフや、ラインアウトからの攻防に焦点を絞って取り組んだ練習の中心にいたのは、チームを率いるジェレイント・ジョン ヘッドコーチ(HC)。移動の際の渋滞に気を揉みながらも、情熱的に指導にあたった。
7人制に特化した選手はおらず、全員が15人制もプレーしている同チーム。昨年の香港セブンズでコアチーム入りを決め、ワールドシリーズに参戦した。
「サーキットに参加して、たくさんの経験を積めている。それがチームにもたらしたものは大きいよ。コミュニケーションを密にとれる。セブンズに割く時間が増えてスキルも高まった。チーム力は確かに上がっている」
カナダ協会は18人をセブンズ強化選手に定め、力を注いでいる。メディカルセンターなども備えたバンクーバー島のトレーニングセンターに拠点を置き、継続的にトレーニング。以前と比べ、強化に割く時間は飛躍的に増えた。
また、15人制代表のヘッドコーチであるキアラン・クローリーHC(元NZ代表FB)がセブンズでアシスタントコーチを務め、セブンズのジョンHCが15人制ではアシスタントコーチに就いているのも特徴的だ。
「フィットネス、データ、技術の共有もできれば、互いの考えや知識を分け合ったり、伸ばしたりできる。刺激しあっているよ。そして、選手たちの状態をいつだって把握できる。セブンズの技術を15人制でもやってみたり、その逆だったり、利点は多いね」
今回のメンバーには18人スコッド外からも2人が加わったが、ジョンHCは言う。
「長く、一緒にセブンズをプレーしている選手たちが多い。どの大会も、70〜75%は『いつも』の顔でやってきた。積み重ねてきたものを出せると思う」
ションシー・オトゥールやナニャック・ダラ(ともにFW)など、2011年のワールドカップでも活躍した選手たちが名を連ねるスコッドの中で、安定した働きを見せているのがナイサン・ヒラヤマだ。
曾祖父母が日本からカナダに移り住んだ日系4世。父も元カナダ代表(ギャリー・ヒラヤマ/キャップ12)で、7人制代表としても活躍した(初めて香港セブンズに参加した同国セブンズ代表のメンバー)。ナイサン自身は14歳でラグビーを始める。同選手もW杯を経験し、15人制でも実績を積み重ねてきた(SO、FB)。現在、ヴィクトリア大学でフィジカル・エディケーションを学ぶ大学生だ。
「プレーメーカーとしての判断力。そしてキックの使い方は自分の武器だと思っている。チームを動かし、勝ちたいね」
祖父母はフィッシャーマンで、父は学校の先生だった。自身は、「将来、日本のチームでプレーしたいと思っているんだ」と目を輝かせる。
今季はシリーズ通算177得点を挙げ、個人得点ランキング3位。フィジカルも、スピードも高まっている。ジャパンは初戦から、厄介な相手と対峙することになる。