2015W杯 1000日カウントダウンへ 夢舞台に近づくベルギー
2015年ラグビーワールドカップ開幕まで、あと1000日となってきました。周知のとおり、今年12月3日に組分け抽選会が行われ、日本がその座をつかむであろうアジア代表は、南アフリカ、サモア、スコットランド、アメリカ予選2位チームと同じ、プールBに入りました。開催国イングランドは、オーストラリア、ウエールズとともに“死の組”プールAでサバイバルをすることとなり、早くも大手スポーツブックメーカーはプール突破のオッズを発表するなど、盛り上がりを見せています。
ラグビー愛に満ちる人口約440万人の小国、ニュージーランドで開催された2011年の第7回大会は、その地に17億3000万NZドル(約1220億円)の経済効果をもたらしたといわれています。大会期間中には世界中から約13万3000人の訪問客があり、テレビ観戦者は207カ国・地域で40億人(累積)にのぼったとか。1987年の第1回大会をテレビで視たファンは約3億人だったそうですから、いまや巨大なスポーツイベントとなり、さらに発展し続けています。次は、ラグビーの母国がホスト、しかも出場国の約半数が参加するヨーロッパでの開催であり、商業的にも競技的にも過去最高のラグビーワールドカップになることが予想されます。
先日、UAE(アラブ首長国連邦)のIRB(国際ラグビーボード)正式加盟が発表され、フルメンバーは100カ国・地域になりました。アジアやアフリカ、その他さまざまな地域で、楕円球の大舞台に立つことを夢見るプレーヤーも増加していると思います。
が、世界中でラグビーワールドカップに出場したのは25カ国しかありません。それでも、予選が実施されるようになった1991年大会ではサモア(西サモア)が初出場、その4年後には南アフリカとコートジボワールがデビューを果たし、1999年大会ではナミビア、スペイン、ウルグアイ、2003年はグルジア、2007年はポルトガル、そして2011年大会はロシアが、初めて世界最高峰のラグビーステージで国歌を唄いました。次々と、ニューフェイスの登場です。
2015年大会も新しい風が吹くでしょうか。次に産声を上げそうなのは、世界ランキングが30位までのチームに可能性が高そうですが、いま最も注目を集めているのがベルギーです。IRBにランキングシステムが導入されて間もない2003年10月には54位だったのが、2012年12月に香港などを破って「エミレーツエアラインズ・カップ・オブ・ネーションズ」を制し、ランキングは過去最高の21位となりました。
自転車競技が国民的人気を持つベルギーにおいて、ラグビープレーヤーの数は現在約14,300人、そのうち約1万人がジュニア世代です。ラグビーのベルギー代表でプレーしたことがあるジャック・ロゲIOC(国際オリンピック委員会)会長も、大いに期待していることでしょう。