【詳報】 強力FW擁する東海大 関東大学リーグ制覇! 大学選手権に弾み
東海大はスクラムで圧力をかけ、主導権を握った
(撮影:BBM)
関東大学リーグ戦の2012年度最終日となった11月25日。秩父宮ラグビー場では東海大×流通経済大、法政大×日本大の2試合が行われた。
青いジャージーの塊が、白のパックをグニャリとねじ曲げた。全勝対決で激突した東海大と流経大。両者のプライドがぶつかり合った前半30分前後の攻防だ。東海大が、流経大ゴール前で、何度も何度もスクラムを選択する。流経大は、スクラムそのものがインゴール内に進入してくることだけは許さなかったが、左展開から、結局NO8村山廉に左隅に飛び込まれた。
スコアは12−10と流経大が、まだ2点リードしていた。
ただ、流れはいっきに東海大に傾いた。
互いの最前線、スクラムの優劣がチーム全体に及ぼす影響力は大きい。ゲームのリスタートのたびに互いの心を自信と不安が襲い、それがゲームを揺さぶるのだ。
前半2分にラインアウトから、FL辻直幸とNO8高森一輝の前進で先制トライ。10分にトライを返されても、すぐにWTB伊禮周がトライを決めて攻撃力の高さを見せた流経大だったが(12−5)、勝ちきれなかった。最終スコアは34−12。東海大の逆転勝ち、そして快勝だった。
前半35分にFB高平拓弥のトライでリードを奪い、後半2分にFL谷昌樹のトライで差を広げた勝者は、試合の中盤から常にFWで優位に立った。勤勉にタックルを繰り返す流経大をはね返して手にした勝利だった。
優勝を決めた東海大・木村季由監督は、「FWを徹底して前に出せたのがよかった」と語った。後半にスコアが停滞した時間帯も、「キープ・ザ・ボールで圧力をかけ続けろ、と指示を出しました。相手には一発で取り切れる選手がいる。12点リードでは十分ではなかったので」と振り返った。
ゲームをコントロールしたSO阪本圭輔主将も、「前半はFWにこだわりすぎるくらいFW、FW、FWでいきました。それをやったことが、後半にボールがつながることにつながった」。先をにらみ、「相手の激しいディフェンスに苦しんだところもありましたが、大学選手権までには修正したいですね」と言った。
敗れた流経大も、大学選手権を控えているだけに下を向くことはなかった。「FWのセットプレー、防御に焦点を絞って準備をしてきました。しかし、前半の入りはよかったけど後半に崩された。ただ、これまでやってきたひたむきなタックルに関しては出せたと思います」と内山達二監督兼GM。SH児玉大輔主将も、「きょうはリーグ戦で初めて負けを味わいましたが、(選手権に向けて)切り替えていこうと試合後に確認し合いました」と続けた。
前日の結果で上位5位までの顔ぶれが決まり、大学選手権への出場5校が決定していた同リーグだが、この秩父宮での2試合の結果により、全8校の順位が確定した。
第1試合の法政大×日本大は54−21で法大が大勝し、4勝3敗で3校が並んだが、当該対戦の得失点差により、拓殖大、法政大、日本大の順に。1位から、?東海大、?流通経済大、?拓殖大、?法政大、?日本大(ここまで全国大学選手権出場)、?中央大、?大東文化大、?関東学院大の順位となった。
優勝に喜ぶ東海大。2年ぶりの頂点だ
(撮影:BBM)