国内
2012.11.21
【早慶戦/慶應スポーツ新聞会イチオシ】 慶大FWの鑑 佐藤大朗
力強くボールを運ぶ佐藤大朗。“低いプレー”で勝利を引き寄せる
(写真:慶應スポーツ新聞会)
今季ここまで2勝3敗と好調とは言えない慶大。そんななかにあって一際異彩を放つ男がいる。それが佐藤大朗だ。LOからNO8までFWの要となるポジションをすべてハイレベルにこなし、接点で体を張り続ける。そんな佐藤の姿はまさにFWの鑑である。この男の存在なくして慶大2年ぶりの早慶戦勝利はなしえない。
佐藤の武器はなんといっても接点での強さ。それを支えているのが「低いプレー」だ。佐藤は攻守にこの「低いプレー」を実践している。攻撃では相手がブレイクダウンで競りかけてきても低く当たりオーバーしていく。守備ではタックルはもちろん、ブレイクダウンでプレッシャーをかけるときも低さを意識。そうすることで相手の球出しを遅らせ、ターンオーバーのチャンスも増える。佐藤の強さの源はこの「低いプレー」のなかにある。
佐藤にとって早慶戦のメンバーになるのは2年生時以来。慶大の劇的な早慶戦勝利を味わっている。しかし、味わった場所はフィールドではなくベンチのなか。その勝利は「うれしかったけど素直に喜べなかった」。今季は早慶戦の舞台でプレーすることが濃厚だ。高校時代に全国大会などの経験もない佐藤にとって、早慶戦は初めて経験する大舞台。だからこそ「人の心に残るようなプレーをしたい」。そのプレーは佐藤らしい低いプレーであるだろう。早大撃破へ佐藤のプレーから目が離せない。
(文・慶應スポーツ新聞会 中島裕幾)