国内 2012.11.11

【花園予選決勝/東京第2】 東京高校、正月越えにらみ接戦制す

【花園予選決勝/東京第2】 東京高校、正月越えにらみ接戦制す


tokyo 2


60分続いたクロスゲームに、スタンドは沸き続けた
(撮影:BBM)


 


 


 東京都の花園予選。第2地区決勝の東京×目黒学院は、接戦となった。
 スタンドに多く駆けつけた目黒のOB、関係者らが一斉に立ち上がったのは後半5分。ハイパントから好チェイス、猛タックルで敵陣深く攻め込み、ボールを奪い返したエンジのジャージーは、SOアタアタ・モエアキオラがインゴールにグラバーキック。それを松崎翔太が押さえてトライ。ゴールも決めて5−7と逆転に成功したときだった。何度も何度もゴールに迫られながら、必死に守り続け、1トライに抑えていたから訪れた逆転の瞬間。しかし、その時間も長くは続かなかった。



 前半16分の先制トライ後(5−0)は攻めあぐねていた東京がふたたび目を覚ましたのは後半9分。相手のキックを受けた後のカウンターから積極的に攻め、逆転のトライを呼んだ。敵陣に進入した後のラックからピッチを広く使って攻撃すると、左中間に飛び込んだのはWTB伊藤大地。SO浜岸峻輝主将がコンバージョンを決めて12−7とすると、残る20分以上、そのスコアのままで凌ぎきった。



 試合直後の東京高校・森秀胤監督は、第一声で「みんながディフェンスを頑張った結果。よく肩を当て、身体をはってくれた」と発した。
 目黒学院とは練習や合宿など、日頃から交流を重ねている間柄。互いに手の内を知り尽くした同士の戦いに「やりたいことをやらせてもらえなかった」と振り返り、試合前の展望についてこう語った。
「あちらの留学生ふたり(NO8テビタ・タタフ、SOモエアキオラ)絡みで3トライを奪われるのは仕方ない。だからうちは6トライは取ろうと言っていたんですが、モールは組ませてもらえないし、攻撃力も出させてもらえなかった」
 そんな予想外の展開だったから、勝利へのアプローチも変わったこの日。クロスゲームをものにしたチーム力を、森監督は「全国でも戦っていけると思っている」と期待を込める。
「今年のチームは攻撃力も高めてきました。全国の強豪ともいろいろと試合をやらせてもらい、経験を積めて、さらに結果を残せたことが自信になっています」



 関東高校スーパーリーグで國學院栃木や日川に勝ったこと。招待試合で石見智翠館と引き分けた経験。練習試合で京都成章を倒したこともある。
 浜岸主将も言った。
「それらのチームと公式戦に近い環境で戦わせてもらい、1点差や2点差の試合を勝ちきった経験。それらがすごくチームの力になっています」
 これまでの花園では3回戦進出が最高の東京。指揮官は、「そのとき以上の手応えを感じているチームです」と言って、1か月半後に迫っている大舞台に思いを馳せた。


 

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