激戦区・福岡の4強揃う 王者ヒガシ、筑紫、福高、小倉の熱きバトルへ
筑紫 vs. 福岡工
(撮影:BBM)
全国でも屈指の激戦区でベスト4が出揃った。『花園』の福岡県大会準々決勝が10月28日に行われ、全国大会4連覇を狙う東福岡をはじめ、筑紫、福岡、小倉が準決勝への進出を決めた。
母校で修猷館と対戦した東福岡は83−10と大勝したものの、顔を上げ続けたチャレンジャーに1トライを奪われた。
序盤は修猷館ペース。王者がリズムに乗らぬうちに、22メートル内でFWが勇敢に突っ込み、BKは勢いよく跳ね、ハーフ団は時にキックも混ぜて揺さぶった。前半6分、ペナルティゴール(PG)で修猷館が先制する。
だが、ジュニア・ジャパンのLO牧野内翔馬など豊富なタレントを擁し、数々の修羅場を経験している東福岡はまったく慌てなかった。10分過ぎからはトライラッシュ。丸太のように頑丈なヒガシの選手たちは、一発タックルを受けても簡単には倒れない。逆にディフェンスからのハードヒットでターンオーバーすれば、自陣からでも一気にゴールへ持って行った。この日は計13トライ。
後半早々、こぼれ球を修猷館がキックでさらに動かし、走り勝ってゴールラインを越えたのは、闘志を消さなかったチャレンジャーの執念である。
同じ会場で行われた小倉×筑紫丘の試合は、36−5で第4シードの小倉が勝った。
前半は筑紫丘が体を張り続け、1トライ1PGしか奪えなかった小倉だが、後半3分にゴール前でリズムよく右に展開して2トライ目を奪うと、10分にはFLがゲインしたあとLOがフォローし3本目。セブンズのような軽快なステップで巧みにタックルをかわす小倉の選手は、サポートプレーも光りだし、冷静な頭脳と走力を持つSHの活躍もあり、計5トライで勝負を決めた。
堅守も武器とする小倉だが、試合終了2分前に筑紫丘がゴールを目指して突進を繰り返し、こちらも防御網は一度だけ破られている。
前評判通り順調に4強入りした小倉の高野進監督は、「筑紫丘さんのディフェンスは厳しかったので、緊迫したゲームのなか、最後はよく崩していったと思う。しかし、アタックに思い切りがなく、普段のウチのテンポとか、近場の所の強さというものが出ず、その状態からBKに出していたので、BKもやりづらかったかもしれない。1トライ獲られたものの、ディフェンスはよく頑張っていた。次の東福岡戦では守りはもちろん大事だし、アタックの精度も高めて臨みたい。今までやってきたことを全部出すだけです」と力強く語った。
筑紫高校グラウンドでの第1試合では福岡が勝利を手にした。東筑を54−14と圧倒。CTB高井勇貴、FB高屋直生らが試合中盤以降よく走り、NO8末永健雄も力強さを発揮した。地力の違いを示した。
試合開始直後は、東筑の前に出る意志が強く、攻守に後手に回った福岡。7分には反則から招いたピンチにラインアウト→モールで攻められ、先制トライを許す立ち上がりだった。しかし18分、相手反則から得たチャンスにピック&ゴーでトライを返すと、2分後には相手ミスを見逃さない。ハンドリングエラーのボールを拾い、攻撃に転じると、WTB本田宗詩が一気に走りきって逆転。これで落ち着いた。
19−7とリードして迎えた後半には、2分に勝利を決定的にする追加のトライ。27分のSH吉松天成のトライも含めて後半だけで5度インゴールに走り込み、時間の経過とともに本来の攻撃スタイルを強く示した。
しかし森重隆監督は、立ち上がりに後手を踏んだことを指摘した。
「あそこで相手の気迫に押されるのではなく、相手以上の気持ちの強さを持って、はね返すぐらいじゃないと(次戦の)筑紫高校には勝てん」
決戦へ、もっと強い気持ちで挑むことを要求した。
同グラウンドで行われた第2試合、筑紫×福岡工は、FW、BKの前に出る意志の強さと、バランスのよさで、筑紫が59−0で勝利した。福岡工もFWの結束で対抗しようと前半は攻め込むシーンもあったが、時間の経過とともに力の差が露わになった。
福岡県予選の準決勝は11月4日。決勝戦は同月10日にレベルファイブスタジアムで行われる。
福岡 vs. 東筑
(撮影:BBM)
小倉 vs. 筑紫丘
(撮影:BBM)