関東大学リーグ戦2部、混戦! 入替戦進出はどのチーム?
専大・村田亙監督。ハーフタイムに選手に話していることとは?
(撮影:松本かおり)
大学シーズンが開幕して、まもなく1か月が経とうとしている。早くも今年の大学日本一チームを予想している人も多いだろう。
9月29日、関東大学の対抗戦Aやリーグ戦1部などの試合が各地で行われ、不調の関東学院大が28-37で拓殖大に敗れて開幕3連敗を喫すなど、特にリーグ戦の勢力図にわずかな変化がみられる。そして、それは1部だけにとどまらない。
同日、リーグ戦2部の2試合が東京の日本大・稲城グラウンドで行われ、山梨学院大が國學院大に27-25で辛勝、専修大が東洋大に29-6で勝利した。
現在2部は2週目。1週目の結果をみると、埼玉工業大(昨年度4位)が東洋大(同5位)に0-47で完封負け。山梨学大(昨年度2位)は国士舘大(同3部1位)に48-24で勝ったものの、やや苦戦した。昨年に続き安定と思われるのは立正大(昨年度1位)で、80-5と國學院大(同3部2位)に圧勝した。ここ数年、2部の上位をキープしてきたのは立正大、山梨学大、埼工大。しかし埼工大は昨年、専大に敗れ4位に。勢力図に変化の予兆はあった。
そんな中で、今年から村田亙監督が率いる専大が、じわりと浮上してきた。圧勝ではないものの開幕2連勝。両試合とも後半に引き離したのは、早朝練習で積み重ねてきたフィットネスのたまものか。29日の東洋大戦では、前半にPGで先制された後はなかなか得点機を活かせず、ストレスの溜まる時間が続いたが、後半はFWを強みに歯車が噛み合った。結局、後半は相手を0点に抑えての快勝だった。また、ジュニア戦(カテゴリー3)でも3連勝中とチーム全体の空気がいい。
試合後、村田監督は戦いを振り返った。
「フィフティ・フィフティだったらパスしようと言っている。積極的なミスは問題ないです。思い切ってオフロードパスもする」
ミスが多かった前半。オフロードパスに味方が応じられず、相手にボールを渡す場面が少なくなかったが、指揮官は前向きだった。チャレンジ、またチャレンジ。その姿勢が成功を呼ぶと考える。
「ハーフタイムでは、“笑え”と言いました。“誰が一番いい笑顔してる?”と。練習では怒ることもありますが、(試合が)始まったらそれはない。点を取ったら喜ぼうと。僕自身は現役時代、笑わなかったですけど」。
前週、東洋大は埼工大に完封勝ちしていた(47-0)。東洋大戦の前日、村田監督は「他チームの試合の点差を気にしても仕方ない」と自身のホームページのブログに記していたが、実際はどうだったのか。
「まったく気にならないと言ったらうそになります。みんなでビデオ分析もしてきた。東洋は強くなっていると思います。ただ、自分たちも強くなった。それだけのことをやってきた。常にプラス思考で、積極的に動く。みんなで笑う。ネガティブな気持ちを出さないよう、自分に暗示をかける」
来週にはジュニアの拓大戦を控える。リーグ戦1部で関東学大を破った拓大相手に、「ジュニアと1本目の隔てなく、ひとつになって勝ちたい」と村田監督。トップチームだけでなく、部員全体の一体感をパワーにしたいからだ。
リーグ戦になにかが起こりそう。
(文・写真/松本かおり)
リーグ戦2部で10年目の専大。今年は最後に笑えるか