国内
2012.09.23
東芝×パナソニック 精神論が説得力帯びる
遡って2012年2月19日、東京は秩父宮ラグビー場。上位4強によるプレーオフ準決勝での同カードでは、パナソニックが前に出る守備を見せ37−25で制した。しかし9月22日、CTB霜村誠一主将は言う。「まず、1人目(の相手)を倒せてなかった」。同じ地での今季トップリーグ第4節は、東芝が32−22で白星を収めた。
敗者が目指していた鋭い出足の守備はなりを潜めた。勝者がクラブの型を貫いたからだ。倒れず進むボール保持者を援護する人が束となり後押し。相手の陣形が崩れるや一気にスペースを突破…。相手側の1人は以前こう呟いていた。「東芝は決まったスタイルをどれだけ表現できるかに賭けている」。そして今度のよき「表現」の裏には、控えWTBである佐藤資の助言があった。開幕直後に続いた、勝ちながら消化不良に終わった試合では、直前の準備運動で雰囲気が悪かったと。「そうした選手がチームのことを考えてくれて嬉しい。いいウォーミングアップができた」。ここまで全勝のNO8豊田真人は言う。東芝が強さを誇示する折は大抵、精神論が説得力を持つ。今季2敗目を喫した霜村は、「わかってるけど、止められない」とも嘆いた。
(文・向 風見也)