国内
2012.09.22
NTTコム×リコー 勝者の起点と敗者の失敗
NTTコムは勝率を5割に戻し、リコーは開幕から4連敗
(撮影:BBM)
ラスト3分、敵陣ゴール前中央で相手が反則。8点ビハインドのリコーは、WTB、CTBとして好ラン連発の小松大祐主将がペナルティゴールを選択。仲間のキックで5点差に詰め寄る。そして腹を決め、最後の攻撃に出る。ラスト1分、パス継続が乱れる。NTTコムのFL小林訓也ゲーム主将の働きかけを受け、球を手放さぬノット・リリーズ・ザ・ボールの反則を犯す。2012年9月21日、東京は秩父宮ラグビー場。トップリーグ第4節は9−14で負けた。
勝者は攻守の起点で優勢だった。PR斉藤展士は「消化不良。本当は真っ直ぐ押したい」としつつ、序盤から左肩上がりのスクラムを見せて終始、押し込んでいた。ラインアウトの守備では相手が飛ばす選手の横に高身長の選手を配置した。「相手にきれいに(ボールを)出させなかった」とLO木曽一。前半は3−6とリードされるも、接点脇の守備意識を向上させた後半の5分、逆転した。
敗者は自らの失敗に泣いた。最後の場面は象徴的だった。背景には何が。「皆、小松さんを上手く支えられていない」。ある主力選手はこう語り、表面上の「規律不足」に収まらぬ「バラバラ感」を問題視した。
(文・向 風見也)