国内 2012.09.09

シェーン・ウィリアムズ開幕戦トライ! 英雄躍動するトップイースト

シェーン・ウィリアムズ開幕戦トライ! 英雄躍動するトップイースト


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大勢のファンが集まった三菱重工相模原グラウンドで力走するシェーン・ウィリアムズ
(撮影:松本かおり)


 


 


 26失点を反省しながらも、高岩映善監督は笑顔で言った。
「私が就任してから、いちばん多くのファンの方々が観に来られた試合になりました」
 9月8日、三菱重工相模原ダイナボアーズのホームグラウンドは、二重、三重の人垣で囲まれた。トップイーストリーグDiv.1が、この日開幕。ダイナボアーズ×横河武蔵野アトラスターズで、今季から日本ラグビーに加わった元ウエールズ代表、シェーン・ウィリアムズが日本デビューするとあって、ウエールズのジャージーを着た外国人の集団を含む幅広いファンが、午後3時のキックオフに足を運んだ。
 試合の経過とともに、FWの圧力、BKの決定力で上回るダイナボアーズが得点を積み重ねた80分(最終スコアは74−26)。テストマッチ通算トライ数歴代3位の男は、大きな声でバックスリーに指示を出し続けた。的確な判断、豊かな運動量で、ボールを持っていないときも動く、動く。
 ハイライトは前半29分頃。キックカウンターで攻めた後のラックからの攻撃だ。SHからのパスをショートサイドで受けたシェーンは、防御側と2対2の状況で鋭く切れ込む。その瞬間的な加速でカバーディフェンスも振り切り、インゴール左中間に飛び込んだ。
 その後も左右のサイドを大きく移動し続けたシェーンは、自ら走って何度もチャンスを作り、味方を走らせもした。
「多くの得点機に絡めたし、何より、自分の名前をスコアシートに刻めた。いいプレーができたと思う」
 30度をゆうに超える暑さの中で汗をしたたらせた小柄なWTBは、デビュー戦を笑顔で振り返った。
「この暑さもあるし、まだ、周囲との連係に不十分なところもある。そういうものを含めたら、まだ自分のパフォーマンスは70パーセントの出来だと思うけど、試合を重ねていけばどんどん高まっていく」
 予定通りに80分のフル出場を果たしたシェーンに対し高岩監督は、「これくらいのプレーをしてくれることは分かっていました。選手たちはこれまでも大きな影響を受けてきましたが、実際に公式戦が始まり、これからもっと大きな刺激を周囲に与えてくれると思う」。当初は取り組む姿勢、メンタリティーに感銘を受けていた仲間たちは、関係が深まるとともに、技術的な学びもどんどん増えてきている。監督は、そう明かした。
 トップイーストの試合は、それぞれのホームグラウンドでおこなわれることも多い。サイドライン近くまで、ファンが近寄れる。たった5メートル先に世界の英雄がいるシアワセ。これを味わわなくてどうする?
 試合後、シェーンの前には、サインや写真撮影を求める、長〜い列ができた。熱のあるラグビーファンよ、スケジュールチェックを急げ。


 

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