国内 2012.06.03

熱き福岡4強バトル 県高校大会を制したのはヒガシ

熱き福岡4強バトル 県高校大会を制したのはヒガシ


higashi


<最高のライバル関係でたくましく成長を続ける東福岡(緑)と筑紫>


 



 春冬通じ、6大会連続で全国制覇しているモスグリーン軍団は、やはり強かった。6月3日、福岡県高校ラグビー大会の決勝戦が春日公園球技場で行われ、東福岡が41−19で筑紫を破り、9年連続24回目の優勝に輝いた。序盤は筑紫が2トライでリードしたものの、底力がある東福岡は徐々に追い上げ、終われば6トライ奪っての快勝劇だった。両校は今月15日から大分・湯布院スポーツセンターで開催される第65回全九州高校ラグビー大会に出場する。


 


 先週末に行われた準決勝で、東福岡は古豪・福岡と33−33で引き分け、筑紫は小倉と5−5で、ともに抽選の運を味方につけて決勝戦に進んでいた。まさに、4強。この日は3位決定戦も同会場で行われるとあって、約2,200人のファンが会場に詰めかけた。


 


 東福岡と筑紫の因縁バトル。約4カ月前、県高校新人大会決勝戦で両校は激突し、王者ヒガシが3年間続けてきた国内公式戦での連続不敗記録を、筑紫が「83」で止めた。その17日後、東福岡は九州大会で雪辱を果たし、1勝1敗。今回が、新チームとなって3度目の公式対決だった。


 


 序盤の主導権を握ったのは筑紫。前半3分、スクラムからの連続攻撃で敵陣22メートル内に入り、モールを形成、東福岡のお株を奪うかのようにドライブで一気に押し込んでHO小原昇大が先制トライを挙げた。その7分後には自陣22メートル左でのラインアウトから攻め上がり、1年生の快足WTB内田彩貴がライン沿いを約65メートル走り切り、インゴールに入った。12−0と、筑紫がリードする。


 


 しかし、5月のサニックス・ワールドラグビーユース交流大会で国内外の強豪から苦汁をなめさせられた東福岡は、明らかにパワーとスピード、それにボールへの執念を増していた。
 21分、敵陣22メートル内ラインアウトからFW連続前進でゴール前に迫り、CTB中尾湧
馬が反撃トライ。その2分後には、相手がキック処理にもたつく間に一気にプレッシャーをかけ、タックルでボールをもぎとり、すばやい左展開からSO松尾将太郎が抜けて、左隅に飛び込んだ。同点。そして28分、ハーフウェイからのカウンターアタックで左サイドを攻め、LO金子崇が22メートル内で筑紫の低く鋭いタックルを受けながらもパワーで退け、逆転トライを決めた。
 19−12、東福岡がリードしてハーフタイムに入る。


 


 後半、早めに流れを戻したい筑紫だったが、開始早々にアクシデントが発生する。西村寛久監督が試合後に「1年生ながらエース的存在である彼を欠いたのは痛かった」と振り返ったほどの逸材、CTB古田翔吾が負傷で交替した。
 しかし4分、キャプテンのFB井上尚馬が敵陣10メートル過ぎから中央に切り込み、
ディフェンダーを次々と振り切ってインゴールにグラウンディングした瞬間、筑紫応援団が一気に盛り上がった。再び同点となる。
「チクシの男だろーー 恐れることはなーいー さーあ ゆーこーぜー!」


 


 だが、筑紫が奮い立った一方で、東福岡の男たちも燃えた。
 ペナルティゴールで先にスコアボードを動かした東福岡は、13分にパワフルCTB中尾がトライ
。春は「今年のヒガシはFWだけ」と言われていたが、FB東川寛文、CTB川上剛右、WTB西坂幸佑も鋭い走りでたびたび敵陣を脅かした。16分には筑紫のハンドリングエラーにより22メートル内でスクラムチャンスを得、左への展開からFB東川がコーナーに飛び込んだ。その7分後には得意のモールで押して、CTB中尾がこの日3本目のトライを奪って勝負あり。3トライ奪った筑紫に対し、東福岡は6本。41−19と、差はついた。


 


 「力負けです」と西村監督。「立ち上がりはよかったけど、まだまだということです。ここまでは走ることに重点を置いてやってきました。とにかく鍛え直して、秋には勝ちたい」。
 一方、勝った東福岡の藤田雄一郎監督は「福岡のトップ4は紙一重ですよ。ヒガシ
が抜けているという人もいるけど、しのぎを削ってやっている。ちょっとしたところがターニングポイントになりますから」と気を引き締めていた。それでも、選手の成長には少なからず手応えを感じているようで、「本当は、先制、中押し、ダメ押しといきたかったけど、スタートが悪かったですね。でも、自分たちでよく修正できたと思います。バックスもよく走った」と評価した。
 そして、東福岡の黄金期を築いた名将・谷崎重幸GMは「指導者も選手も、まだまだ
もがけばいいよ」と笑った。成長はそこから生まれる、と。さらに福岡県4強の戦いを振り返り、「一発勝負や抽選ではなく、リーグ戦の総当りを見てみたい気もする。筑紫だけでなく、福岡高校も小倉高校も力を出し切ることができるいいチームですからね。クロスゲームは肥やしになりますよ。2軍戦も、3軍戦もやったらいい」と私見を述べた。


 


 ちなみに3位決定戦は、福岡が19−13で小倉を破っている。自陣深くからでも果敢にボールを回す福岡が3トライ。小倉は出足鋭いタックルで見せ場を作ったが、ラインアウトが安定せず、接戦をものにすることはできなかった。


 


fukuoka


<試合後、握手で健闘を称え合う福岡(赤)と小倉>


 

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