セブンズ 2012.04.01

東京セブンズを制したのは豪州 残り1分で逆転優勝

東京セブンズを制したのは豪州 残り1分で逆転優勝


tokyo


 


 「HSBC セブンズ・ワールドシリーズ 2011−2012」の第7ラウンドである東京大会は4月1日、秩父宮ラグビー場で全日程を終了し、オーストラリアが栄冠に輝いた。カップ決勝でサモアに28−26で競り勝ったオーストラリアは今季初優勝。第5ラウンド・ラスベガス(アメリカ)大会の王者であるサモアは、5点リードをラスト1分で守り切れず、2冠目を逃した。


 


 前半1分過ぎ、サモアのパワフルFWアラフォティ・ファオシリヴァが先制トライを挙げた。準決勝でニュージーランドと激闘を演じ、サドンデス方式の延長戦を17−12で制していたサモアが、ファイナルステージでも勢いに乗るかに思われた。
 しかしオーストラリアは、昨年5月にラグビーリーグ(13人制)から転向してきたばかりのシャノン・ウォーカーが、スピンを使いながら力強いステップワーク見せ、2連続トライで逆転に成功する。前半終了間際に1トライ1ゴールを取られたら、後半早々に7点を奪い返し、若きオージーたちは粘り強く戦った。
 それでも、2006年のIRB(国際ラグビーボード)最優秀セブンズプレーヤーである33歳のウアレ・マイを筆頭に経験豊かな選手が多いサモアは、後半3分と5分にトライを重ね、逆転。5点の差をつけた。
 このままノーサイドの笛が鳴ってもオーストラリアの健闘には拍手が送られるはずだった。が、「どうしても勝ちたかった。最後のホイッスルが鳴るまであきらめるつもりはなかった」というエド・ジェンキンス主将が、残り時間1分を切ってから同点トライを獲得。そして、難しい位置でのコンバージョンキックをマット・ルーカスが決め、勝利の女神はオーストラリアに微笑んだ。


 


 セブンズが正式競技として実施される2016年夏季五輪に向け、7人制オーストラリア代表は結果がほしかった。国はスポーツが盛んで、オリンピックではメダル争いの常連であり、潤沢な予算を持っている。そして、金メダルが取れそうな競技には惜しみなく強化費を注ぎ込むため、セブンズ・ワールドシリーズでは少しでもランキングを上げたいのだ。
 今シーズンの総合ランキングは6位のままだが、自信をつけたオーストラリアが、今後さらに手強くなるのは間違いなさそうだ。


 


 その他の戦いでは、3位決定戦を制したのはニュージーランド。対戦相手のイングランドが前半に3連続トライを奪い、一時は17−0と大きくリードしたが、じりじりと迫ったニュージーランドが4トライ(24点)を返し、逆転勝利を収めた。
 敗者によるトーナメントで、プレート(5〜8位)争いに勝ったのはフィジー。9〜12位によるトーナメントの決勝は、フランスが17−12でアメリカを破り、ボウルトロフィーを獲得した。そして、シールド部門を制したのはスコットランド。今大会出場16チーム中13位という成績ながら、敗者復活戦を集中して戦い抜き、7人制ラグビーの母国として意地を見せた。


 


 なお、11年ぶりの地元開催セブンズ・ワールドシリーズに気合十分で臨んだ日本だったが、大会初日のプール戦0勝3敗に続き、最終日のトーナメント戦でも勝利を挙げられず(5−21 対ポルトガル、17−24 対ケニア)、5戦全敗に終わった。


 


 今季セブンズ・ワールドシリーズは残り2ラウンド。5月上旬に行われる次の大会はグラスゴー(スコットランド)が舞台となり、5月13日のロンドン(イングランド)大会ファイナルで今シーズンのチャンピオンが決まる。


 

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