国内
2012.02.11
九電 劇的大差勝利で3季ぶりTL復帰 「ラグビー人生懸けろ」(平田監督)
11日、秩父宮であったトップチャレンジ1第3節で九州電力が3季ぶりのトップリーグ復帰を決めた。すでに来季の同リーグ参入を決めたキヤノンに68−17の大勝。平田輝志監督は「大きく会社が揺れ動いた1年でもある。そのなかでラグビーができる。逆にトップリーグ昇格が大きな使命になる(と思った)。正直きつかった。感無量です」と語った。
昨年3月11日の東日本大震災による電力不足、6月の「やらせメール問題」(関係会社の社員らに玄海原子力発電所の運転再開を支持するメールを送るよう親会社が指示)の影響で、「選手にはもっと強くなるプロセスを楽しませたかったですが、自粛という言葉が私の後ろにいつもありました」と平田監督。活動自体の縮小はなかったものの、「監督の仕事には照明の管理もあった」と言う。就任1年目、「常に選手とコミュニケーションを取り」シーズンを過ごした。
キヤノンとの一戦に向け、普段は口出しをしないという前日ミーティングで「あえて」言葉を発した。「覚悟の差で勝つ、と。今年1年やってきたことではなく、ラグビー人生を懸けろと」。第1試合、クボタが豊田自動織機に58−24と大勝し勝点を「9」とした。その時点で勝点「4」だった九州電力がトップリーグ自動昇格を果たすには、39点差以上で勝つことが必須だった。「点差のプレッシャーはあった」という平田監督だが、前半終了時点での35−17というスコアと内容を受け、「3本取ればいける。その変わり相手に点を取られてはいけない。あとはゲームプラン通りに」。結果、願いを叶えた。
もっとも、来季の戦いに向けては「課題はたくさんある」とした。
(文・向 風見也)