日本代表ジョン・カーワンHCの退任決定 後任選び難航か
日本ラグビー協会は13日、ジョン・カーワン日本代表ヘッドコーチが契約満了となる2011年12月31日をもって現職を退任すると発表した。2011年ラグビーワールドカップで未勝利(1分3敗)に終わった責任を取り、本人が11日に日本協会へ辞任の意向を伝え、翌日に受諾された。
後任について日本協会は「現在検討段階」としている。
2011ラグビーワールドカップNZ大会 ジョン・カーワン日本代表ヘッドコーチ
(撮影:Yasu Takahashi / Nichigo Press)
【略歴】
■ジョン・カーワン John KIRWAN
・生年月日: 1964年12月16日生(46歳)
・出身: ニュージーランド(オークランド)
<代表監督歴>
・イタリア代表 ヘッドコーチ 2002〜2005年
・日本代表 ヘッドコーチ 2007〜2011年 (2006年10月30日〜日本代表チームアドバイザー)
◆日本代表での成績(2007年1月1日〜2011年12月31日)
〔31勝2分22敗〕
・2007年: 3勝1分8敗 (W杯:1分3敗 アジア・バーバリアンズ戦は含まず)
・2008年: 7勝4敗
・2009年: 7勝3敗
・2010年: 7勝2敗
・2011年: 7勝1分5敗 (W杯:1分3敗 トップリーグXVとの対戦は含まず)
● 日本代表 ジョン・カーワン ヘッドコーチ コメント
日本ラグビーとともに、大変有意義な年月を過ごすことができました。就任してからの5年間で成し遂げた、チームの成長や成績を大変誇りに思います。私自身、この後も日本ラグビー発展のため、お役に立てることがあれば喜んで協力してまいります。
5年の間、ヘッドコーチの業務を行うにあたりサポートいただいた皆様、ありがとうございました。
● 日本代表 菊谷崇 主将 コメント
この5年、カーワンヘッドコーチは日本代表を大きく成長させてくれました。ワールドカップは残念な結果で終えてしまいましたが、偉大なコーチであり、よき理解者でした。本当に素晴らしいチームだったと思います。
● 日本ラグビーフットボール協会 森喜朗 会長 コメント
カーワンヘッドコーチの決断を尊重し、大変残念なことだけれども、申し入れを受諾しました。
この5年間、日本のラグビーを愛し、日本代表の強化に全身全霊を傾けて取り組んでくれました。これからも、我々日本ラグビーのラグビーファミリーの一員として、幅広い面からご指導をいただきたいと思います。
● 日本ラグビーフットボール協会 矢部達三 専務理事 コメント
カーワンヘッドコーチの2007年の日本代表ヘッドコーチ就任以来、新手法も盛り込んだ強化のプロセスによって、日本代表は、確実に進化してきたものと考えます。本年の7月には、17年ぶりにフィジー代表に勝利し、IRBパシフィック・ネーションズカップ初優勝を手中にするなど、日本代表の世界ランキングを最高位となる12位まで上昇させたことは大いに評価できることだったと思います。
また、カーワンヘッドコーチ個人の国際的なネットワークの活用により、ワールドカップ日本開催の招致活動においてのメディア対応、日本代表のマッチメイクなど、グラウンド外での貢献も大きかったと思います。
しかし、カーワン体制に多くの功績はあるものの、最大の目標であった今年のラグビーワールドカップNZ大会において、1分3敗という結果は厳しく受け止めなければなりません。この度、本人から辞任の意向を受け、本人の意向を尊重するとともに、日本代表が次のステップに進むためにも、辞任の申し出を受諾することといたしました。
セットプレーの強化、拮抗した試合のなかで確実で力強いプレーができること、そして日本独自の戦い方を模索していくことなど、課題は多くあります。早急に日本代表の体制を見直し、一新し、次のワールドカップである2015年大会、そして日本開催となる2019年に備えていきたいと思います。