女子日本代表3選手所属のシドニーユニ連覇! 山口、有終の美を飾る
豪州シドニーの女子ラグビー大会ファイナルシリーズは27日、決勝戦が行われ、女子日本代表の3選手(高橋はるか、鎌多春香、山口真理恵)が所属するシドニーユニ(シドニー大学女子ラグビークラブ)が連覇を達成した。
決勝戦の相手は、準決勝で強豪ワリンガを破り勢いがあったメリーランド。しかし、シドニーユニは前半からトライと正確なキックで着実に加点すると、ディフェンスでは体格が良く個々のポテンシャルも高いメリーランドの攻撃を耐えしのぎ、自分たちのスタイルを崩すことなく、35-0で快勝した。今年はレギュラーシーズン全勝に加え、ファイナルシリーズを無失点という、まさに“完全優勝”の強さだった。
オーストラリア留学ラストシーズンのBK山口真理恵は、今回もベンチスタートながらメンバーに名を連ね、後半途中から出場。トライこそ奪えなかったものの、相手に隙を与えないディフェンスで貢献し、ワンプレーごと噛みしめるように、限られた時間を存分にプレーしていた。
日本では、日本代表を含めどのチームでもエース級の山口だが、シドニーでは怪我もあり、試合に出られない苦しい時期を過ごした。しかし、そこから生まれたハングリー精神や向上心は、彼女をひと回り大きくさせた。一流の選手仲間やコーチ陣に恵まれ、試合でのパフォーマンスのみならず、チームに対する考え方なども大きく成長。さらには相手やレフリーに対するリスペクトの大切さも改めて知った。オーストラリアで学んだラグビーカルチャーを胸に、彼女は間もなく、日本に帰る。
試合後のプレゼンテーションでは大会参加全チームが集まり、各チームの優秀選手各賞(ベストFW、ベストBK、ベストインプルーブの3賞)発表が行われた。優勝したシドニーユニでは、チームで唯一全試合にフル出場したFW高橋はるかが選ばれ、タフで運動量豊富な仕事師は、いまやチャンピオンチームでも欠かせない存在であることが証明された。
残念ながら、BK鎌多春香は決勝戦のメンバーに入ることはできなかったが、彼女の新たな挑戦は始まったばかり。山口、高橋と同様、明日を見つめる鎌多の瞳も美しく輝いており、たくましきラグビーなでしこたちの、次なるステージが楽しみである。
(文・写真/Yasu Takahashi)
完全優勝で連覇を果たし、喜ぶシドニーユニの選手たち