Pierre Spies ピエール・スピース (南アフリカ/ブルズ)
SF映画の「ターミネーター」をほうふつとさせる強靭な肉体と驚異的スピードを持ち、ハンドスキルも高い万能プレーヤー。身長194cm、体重107kg、体脂肪率6.5%。巨体ながら垂直跳びは1.4mで、100mを10秒7で走る。ベンチプレス165kg、デッドリフト240kg、パワークリーンは135kgを記録……。
父は陸上短距離走の元南ア王者であり、ラグビーではノーザン・トランスバール(現ブルー・ブルズ)のWTBとして活躍した。血を受け継いだ息子もスポーツ万能で、学生時代は何をやっても一番の人気者。競泳、水球、テニス、クリケット、陸上競技に親しんだ。円盤投げでは20歳以下の南アチャンピオン、砲丸投げでは全国3位。しかし、特に熱を上げたのがラグビーで、ブルー・ブルズのユースでキャプテンを務めるようになってから、本気でプロのラグビー選手を目指すようになる。
2004年、U19南アフリカ代表に選ばれ、地元で開催された世界選手権に出場した。同年末に最愛の父が他界したとき、U19代表のものではあったが、父の夢でもあったスプリングボクス(南アフリカ代表)のジャージーを遺体にかけてあげた。
翌年、ブルズ選手として史上最年少の19歳で南半球スーパーラグビーデビューを果たす。「14番」を着て、ハイランダーズ戦のわずか1試合のみ出場。そして、恩師であるU19南ア代表のユージン・エロフ監督が、WTBからルースFWへの転向を勧めたのをきっかけに、新たな才能が開花。2006年のスーパーラグビーでは、先発は3試合ながら、ルースFWとして全試合出場を果たした。
瞬く間にブルズのスター選手となり、2007年、2009年、2010年の優勝に貢献する。
ちなみに、2011年8月15日現在、スピースは南アフリカ代表として41キャップを獲得しているが、2009年7月4日に行われたブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズとの最終戦で、一度だけWTBとして出場している。
南アフリカ代表デビューは、2006年7月15日のオーストラリア代表戦。当時21歳。歴代777番目のスプリングボクス。同年の賞レースではほとんどにノミネートされ、南ア最優秀新人賞に輝いた。
当然のごとく、2007年ワールドカップの代表スコッドに選ばれ、主力選手として活躍が期待されたが、大会直前に肺塞栓症が見つかり、涙の欠場。長いリハビリを経て、翌年のスーパーラグビーで見事カムバックを果たし、ワールドステージに戻ってきた。
魅力は、2009年のスーパーラグビーでFWとして最多の7トライを挙げたダイナミックな走り。タックルが弱点とされるが、運動量豊富で、ラインアウトオプションでも脅威的存在となる。
端正なマスクにカリスマ性もあり、かつてのトップスターで現在はラグビー解説者として人気の、ボビー・スキンスタッドと比較される。また、同年代で同タイプのシャークス若大将ライアン・カンコウスキーも引き合いに出され、どちらがスプリングボクスのエイトマンにふさわしいか、という熱い議論が巷で繰り広げられたが、2010年のテストマッチでは14試合中12試合の先発をスピースが務めており、グリーン&ゴールドの「8番」が最も似合う男となった。
ポジション: NO8
生年月日: 1985年6月8日(26歳)
出身地: プレトリア(南アフリカ)
身長: 194? 体重:107kg
所属: ブルー・ブルズ(ブルズ)
【国代表】
デビュー: 2006年7月15日(対オーストラリア)
CAP: 41
得点: 35 (TRY: 7)
※ 記事内のデータは、2011年8月15日現在