日本代表カーワンHC 立て直しに自信 鍵は「1対1」の勝負
2日に東京・秩父宮ラグビー場で行われた「IRBパシフィック・ネーションズカップ(PNC) 2011」の第1戦で、サモア代表に15-34と敗れた日本代表だが、試合後のジョン・カーワンHC(ヘッドコーチ)はさばさばしていた。
「最初の20分、1対1の勝負でしっかりタックルできなかったところが次への大きな反省点。その後の守りは、相手へのプレッシャーも厳しくかけていたと思う。攻撃面では何度もラインブレイクをし、サポートもついていたが、ラストパスがつながらなかった。詰めが甘い」。
一時は0-17とリードされた日本だったが、NO8ホラニ龍コリニアシ、WTB宇薄岳央のトライなどで9点差に迫った。ハーフタイムでのカーワンHCの指示通り、ボールをキープして自分たちの速いゲームプランを実行できるようになったが、詰めの甘さに加え、セットプレーからの悪い流れも勢いを止め、逆転とはならず。
「スクラムは問題ない。しかし、ラインアウトはレベルアップが必要ね」とカーワンHC。バックスの中心選手であるCTBライアン・ニコラスも歯がゆさを感じたようで、「セットピースからの流れが遅い。それに、チャンスを作りながらラストパスでミスがあり、仕留めることができなかった。そこを修正しないと上位国には通用しない」。
次戦はワールドカップ(W杯)でも対戦するトンガが相手となるが、ライバルは敵地での開幕戦で2007年W杯ベスト8のフィジーを撃破した。カーワンHCはフィジカルなゲームになると予想しながら、「立て直す自信はある」と力強く語った。「サモアに敗れはしたが、リアル・テストマッチでいい勉強になった。W杯まであと2カ月もある、なんて考えない。一週間後までに今日の反省点はしっかり修正する」。
対戦国との実力差があるアジア5カ国対抗とは違い、PNCは国際経験も豊富な南太平洋諸国との激しい四つ巴。黒星スタートとなった日本代表だが、新しい選手たちも躍動しており、のびしろはある。なおこの試合で、右足首を痛めたFLマイケル・リーチに代わり先発出場したFL西原忠佑(パナソニック)と、途中出場のSOマリー・ウィリアムス(豊田自動織機)が初キャップを獲得した。
(文/竹中 清)