スーパーラグビー　ハイランダーズ夢消滅　ブルーズＮＺ首位陥落

　南半球のスーパーラグビーは現地時間11日までに第17節が終了し、上位8チームによるプレーオフ争いからハイランダーズ（ニュージーランド）が脱落した。トップ6への生き残りをかけて7位ワラタス（オーストラリア）と対戦した8位ハイランダーズは、好機を作りながらもハンドリングエラーが多く、得点は1トライ1ゴールのみ。守っては、相手CTBトム・カーターのハットトリックを含む計5トライを許し、7−33と完敗した。ワラタスはゲームメーカーのFBカートリー・ビールが本領発揮。ステップワークとキックで味方のバックラインをダイナミックに動かした。

　ニュージーランド・カンファレンス首位攻防は、先週まで同2位だったクルセーダーズが1位ブルーズを破り、トップに立った。
　CTBルーク・マカリスターの先制ペナルティゴール（PG）とWTBレネ・レンジャーの個人技光るトライで、序盤の主導権を握ったのはブルーズだったが、相手の一瞬のスキを見逃さなかったクルセーダーズがすぐに挽回。前半18分のFLマット・トッドのトライは、クルセーダーズ陣内でブルーズがスクラム後のボール処理をもたつき、クルセーダーズのSHアンドリュー・エリスが敵陣深くへキックしたことから生まれたものであり、前半終了間際には、NO8キアラン・リードの好判断によるルーズボール獲得がWTBザック・ギルフォードのトライにつながった。
　首位を死守したいブルーズは後半8分、PRチャーリー・ファウムイナのトライで2点差と迫ったが、堅守を武器に過去7度栄冠を獲得したクルセーダーズの壁を完全に崩すことはできなかった。ブルーズはこれで4連敗。

　5月末にすでにチケットが完売していた南アフリカダービー、ストーマーズ対ブルズ戦は、両チームともハンドリングエラーが目立ったものの、攻守ともに激しく、エキサイティングながっぷり四つの戦いとなった。
　互いにPGでスコアボードを動かし、ブルズ3点リードで迎えた後半25分、ストーマーズが自陣でのラインアウトで呼吸が合わず、こぼれ球をブルズのSHフランソワ・ホーハートが拾ってゴールまで走り切り、貴重な追加得点を挙げた。
　追うストーマーズは後半38分、LOアンドリース・ベッカーのトライとゴール成功で3点差とすると、試合終了のサイレンが鳴り響くなか自陣深くから粘り強くつなぎ、ブレイクに成功したWTBブライアン・ハバナがゴール前5メートルまで攻め込んだが、ブルズのWTBビヨルン・バッソンが必死のタックルで流れを食い止め、19−16でブルズが激戦をものにした。

　総合首位のレッズ（オーストラリア）は敵地で下位ウェスタン・フォース（オーストラリア）相手に苦しんだが、4点リードされて迎えた後半37分、PRジェームズ・スリッパーがトライを奪い逆転勝ちを収めている。
　プレーオフ圏内の座をキープしているシャークス（南アフリカ）は、一足早く今季最終戦を迎えた南ア勢最下位のライオンズに大苦戦。後半12分まで21点差をつけられていたが、ライオンズ司令塔ブッチ・ジェームズがシンビンで一時退場したスキに攻撃の勢いを取り戻し、結局3本のトライで同点に追いつき、2ポイントを獲得した。

　次節はついにレギュラーシーズンの最終節。プレーオフのホームアドバンテージがかかる総合トップ争いは、現在1位のレッズが2ポイント以上（引き分け以上、またはボーナスポイント2点）を獲得すれば首位が確定する。総合2位のストーマーズと3位クルセーダーズはプレーオフ進出を決めたが、ノックアウトステージを有利な条件で戦うためにも、最終戦は負けられない。
　勢いを失っている総合4位のブルーズは、仮に次戦ハイランダーズに敗れるとしても、ボーナスポイント（4トライ以上か7点差以内の敗戦で与えられる）1点を獲得すればプレーオフに残る。上積みがない場合、追ってくる3チームの結果次第では脱落の可能性がある。
　注目の大一番は5位ブルズと6位シャークスの直接対決。先に試合を行う7位ワラタスがブランビーズに勝った場合、ブルズ対シャークス戦の敗者がプレーオフ進出を逃す。もし南アの両チームが引き分けて、ボーナスポイントを上乗せしても、勝利で勝点「56以上」となるワラタスを上回ることはできない。つまり、ワラタスは勝ちさえすれば、プレーオフに出場できる6位以上が確定する。
　下位チームの選手にとっても、ワールドカップ代表選考へのアピールとしては最後のチャンスになるかもしれず、最終節は好プレー必至の7試合になりそうだ。

＜2011 スーパーラグビー 第17節　結果＞
チーフス（NZ）　18 − 18　ハリケーンズ（NZ）
ブランビーズ（豪州）　32 − 17　メルボルン・レベルズ（豪州）
クルセーダーズ（NZ）　23 − 16　ブルーズ（NZ）
ワラタス（豪州）　33 − 7　ハイランダーズ（NZ）
ウェスタン・フォース（豪州）　21 − 24　レッズ（豪州）
ライオンズ（南ア）　30 − 30　シャークス（南ア）
ストーマーズ（南ア）　16 − 19　ブルズ（南ア）

※ チーターズ（南ア）は試合なし

＜2011 スーパーラグビー 最終節　対戦カード＞
ブルーズ（NZ）　vs.　ハイランダーズ（NZ）
メルボルン・レベルズ（豪州）　vs.　ウェスタン・フォース（豪州）
チーフス（NZ）　vs.　レッズ（豪州）
クルセーダーズ（NZ）　vs.　ハリケーンズ（NZ）
ワラタス（豪州）　vs.　ブランビーズ（豪州）
ブルズ（南ア）　vs.　シャークス（南ア）
チーターズ（南ア）　vs.　ストーマーズ（南ア）

※ ライオンズ（南ア）は17節で今季終了

※ 順位表はこちら
http://rugby-rp.com/free.asp?idx=100061&code_s=10031001