海外 2011.05.20

バース移籍かレベルズ残留か “パーティーボーイ” 近日中に決断へ

バース移籍かレベルズ残留か “パーティーボーイ” 近日中に決断へ

danny


ダニー・シプリアーニ


 


 才能の塊と絶賛された時代がこの男には確かにあった。イングランド代表としてわずか7キャップながら、英雄ジョニー・ウィルキンソンの後継者と期待されたこともある。23歳、ダニー・シプリアーニ。いまやすっかり、パーティーボーイの一面ばかりが目立つお騒がせ男となってしまった彼は、ラグビー人生の行き場に迷っているようだ。進むべきは北か、南か。



 2011年スーパーラグビーで産声を上げたメルボルン・レベルズ(オーストラリア)に、目玉選手として加入したシプリアーニ。開幕戦から閃きのプレーでファンを魅了していたが、グラウンド外での相次ぐ問題行動にチームは愛想を尽かしてしまった。シーズン序盤、ナイトクラブで酔って酒を盗むという失態を犯し、4月末にはチーム内で決めた夜間外出禁止令を破って夜遊びに繰り出し、翌朝のチームトレーニングをすっぽかしたこともある。案の定、彼は南アフリカ遠征のスコッドから外れ、6月の残り3試合でプレーチャンスを得られるかどうかも定かではない。



 そんななか、海外メディアが「シプリアーニは母国イングランドへ戻ることを熱望しており、プレミアシップのバース移籍が濃厚」と報じた。19日、バースのニック・ブロフェルド最高経営責任者はシプリアーニ側からアプローチがあったことを認め、レベルズ電撃退団へ話が加速するかに思われたが、翌日になってバース側はトーンダウン。4年間、チームの司令塔を務めていたブッチ・ジェームスが南アフリカに帰国したため、新たなSOを探していることを認めながらも、シプリアーニはトップリストのなかに入っていないと消極的な態度を見せている。



 ラグビー情報サイト「ESPN scrum」によれば、レベルズのロス・オークリー最高経営責任者は、2年契約を結んでいるシプリアーニから契約破棄の申し出はないことを明らかにし、現在、他のオーストラリア居残り組とともに、彼は一心不乱にトレーニングに励んでいると一定の評価を示した。
 走力があり、負けん気が強く、柔らかいハンドリングとスキップを武器に、時には派手なプレーを好む。ディフェンスの弱さは致命的だが、それでも、苦戦必至のルーキーチームをグラウンド内で盛り上げた事実は評価すべきである。4月途中までの話ではあるが…。



 ヨーロッパに戻って一から出直すか、それとも、南半球で挑戦を続けるか。いずれにしても、今後1カ月以内に結論は出るはずだ。選択が正しければ、4年後のイングランドで、27歳のシプリアーニが獣のような目でエリスカップを狙っているかもしれない。最高のパーティーは、きっとその後にある。


 

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