チーターズとチーフスが大物食いでスーパーラグビー混戦 王者ブルズも接近
クルセーダーズを苦しめたチーターズの若き司令塔シアス・エベルソン
南半球のスーパーラグビーは今週末、第13節6試合が行われ、下位チームの奮闘がリーグを混戦にしている。
特に驚かせたのは、南アフリカ・カンファレンスの4位に低迷しているチーターズ。地元ブルームフォンテーンに過去7度の優勝を誇るクルセーダーズを迎えると、今季最高とも思えるディフェンスと勇敢な攻めで、大逆転勝利を手中にした。金の卵として育んできた22歳の双子エベルソン兄弟がともにトライを奪い、SOシアス・エベルソンはキック成功を含む23得点の活躍だった。クルセーダーズは主将リッチー・マコウと司令塔ダン・カーターが故障から復帰したものの、トライ王を争う2人、WTBショーン・マイトランドとFBイズラエル・ダグが新たな故障者リスト入りで、決定力を欠いていた。歓喜に沸くチーターズサポーターだが、前半途中に太もも裏を痛めて退いたFLハインリッヒ・ブルソーの状態は気になるところ。
南アフリカ勢の先頭を行くストーマーズは、約1カ月間の海外遠征(4試合)に突入した。5月20日のブルーズ戦以外は下位で苦しむチームとの対戦になるため、3勝の計算は立てていたはず。その初戦、敵地ハミルトンでチーフスに挑むと、前半はWTBジオ・アプロンの50メートルトライなどで20−3とリードしたが、後半早々にアプロンがペナルティトライにつながるイエローカードをもらうと流れは一変した。チーフスが後半だけで27得点を奪い、ストーマーズはまさかの逆転負け。苦い敗戦となったストーマーズだが、高校を卒業したばかりの大物ルーキー、19歳PRスティーヴン・キッツォフが遂にスーパーラグビーデビューを果たし、若手の成長を感じさせている。
オーストラリアとニュージーランドの各カンファレンスでトップを走るレッズとブルーズの首位攻防は、37−31で地元レッズの勝利。大崩れしないレッズは勝点50となり、総合順位でも1位に立った。ブルーズは敗れはしたものの、ロスタイム寸前に4本目のトライを奪い、ゴール成功で6点差としたため、ボーナスポイント(BP)2点を獲得したのは大きい(BPは、4本以上トライすると1点、7点差以内の敗戦にも1点が与えられる)。
3連覇を狙う王者ブルズは、レベルズ相手に格の違いを見せつけ大勝。今季はスロースタートながら、気がつけばプレーオフ圏内までわずか4ポイント差。じわり、迫ってきた。
<スーパーラグビー 第13節>
ハイランダーズ(NZ) 13 – 6 ハリケーンズ(NZ)
レッズ(豪州) 37 – 31 ブルーズ(NZ)
チーフス(NZ) 30 – 23 ストーマーズ(南ア)
ブランビーズ(豪州) 20 – 29 ライオンズ(南ア)
ブルズ(南ア) 47 – 10 メルボルン・レベルズ(豪州)
チーターズ(南ア) 33 – 20 クルセーダーズ
※ ウェスタン・フォース(豪州)、シャークス(南ア)、ワラタス(豪州)は試合なし