海外 2011.05.08

4人スリークォーターバック制を導入したカーディフRFC ラグビー殿堂入り

4人スリークォーターバック制を導入したカーディフRFC ラグビー殿堂入り

cardif RFC


 


 IRB(国際ラグビーボード)は6日、カーディフ・ラグビーフットボールクラブ(RFC)と、そのチームで主将を務めた故フランク・ハンコックの『IRB殿堂』入りを発表した。カーディフRFCは1884年、世界で初めて4人のスリークォーターバック・システム(WTB・CTB・CTB・WTB)を本格導入し、ラグビーの発展に多大な貢献を果たしたチームとして知られる。その歴史的チャレンジのきっかけとなったのがハンコックだった。


 


 フォワード(FW)9人、バックス(BK)6人でプレーするのが主流だった1884年、カーディフRFCはある日の試合で、FWのトム・ウィリアムズが体調不良を訴えたために、CTBのフランク・ハンコックを代役として送りこんだ。すると、快足を持つハンコックが加わったことでチームは見事に機能し、彼はその試合で2トライをあげる活躍を見せる。まもなくウィリアムズが回復したため、チーム首脳は選手起用で悩んだ。FWの中心選手であるウィリアムズをとるか、チーム1の走力を誇るハンコックをとるか……。結局、2人ともプレーさせるために、FWからほかの1人を削ることを決断。こうして、世界で初めて4人のスリークォーターバック制が本格導入された。


 


 彼らが試みたFW8人・BK7人体制が好評だったことから、1885年にウエールズ代表がそのスタイルを採用するようになり、やがて世界中に波及、現代でもその形がスタンダードとなっている。
 ラグビーの新たな魅力を引き出した功績を称え、元ウエールズ代表で現在はIRB理事を務めるジェラルド・ デイヴィス氏から、記念のキャップとゴールドピンが、代表のカーディフ・アスレチッククラブ会長に贈られた。

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