国内 2011.05.06

ワールドユースで見えてきた今季高校ラグビー 桐蔭、東福岡と2番手G僅差

ワールドユースで見えてきた今季高校ラグビー 桐蔭、東福岡と2番手G僅差

wry1


パールボーイズ高(南ア)に完敗も、充実ぶりをうかがわせた桐蔭学園(神奈川)



 サニックス2011ワールドラグビーユース交流大会は5月5日、順位決定トーナメントの残り8試合が行われ、ハミルトンボーイズハイスクール(ニュージーランド)が決勝でアイヴィーブリッジ・コミュニティーカレッジ(イングランド)を35−17で下し、大会連覇を果たした。
 予選リーグの1、2位によって争われた1〜8位トーナメントでは、外国勢が上位を独占。なかでもFBウェバーを軸に個人のスキルとスピードに優れるハミルトンが頭ひとつ抜けた強さを披露し、昨年に続いて文句なしの優勝を遂げた。決勝で敗れたアイヴィーブリッジも、CTBヒルの突破から再三チャンスを作り出すなど、地力の高さを感じさせる戦いぶりだった。
 日本勢で唯一トップ4に勝ち残った桐蔭学園(神奈川)は、南アフリカのパールボーイズ高に0−43と完敗を喫した。それでも新入生が外国人相手に遜色ないプレーを見せ、藤原監督も「秋に向け十分やれる手応えを感じた」と語るなど、収穫の多い大会となったようだ。
 このほかでは、東福岡(福岡)がFB藤田、FL木村らの活躍で常翔学園(大阪)に38−12と快勝。佐賀工業(佐賀)は重量FWを軸にした安定感ある戦いぶりで、実力者・筑紫(福岡)を38−14で下した。下位トーナメントでは國學院栃木(栃木)が國學院久我山(東京)との注目の対決を39−19で制し、あらためて今季の充実ぶりを示した。
 春の全国選抜大会が中止になったことで力関係がはっきりしなかった今季のハイスクールシーンだが、有力校がほぼすべて顔を揃えた今大会を終えて、それぞれの戦力の輪郭がようやく見えてきた。昨季の花園優勝校である東福岡と桐蔭学園が今年も中心となるのは間違いないが、両校を追う二番手グループとの力の差はほんのわずか。それだけに、ここから花園までの期間をいかに過ごし、成長を重ねられるかが、覇権争いの鍵となりそうだ。


 


wry2


ハミルトンボーイズ(NZ)がアイヴィーブリッジ(イングランド)を破り連覇


 


wry3


ハミルトンボーイズ歓喜のハカ



(文/直江光信)

PICK UP