パシフィック・ネーションズカップ会場変更 日本開催は7月2日サモア戦のみ
国際ラグビーボード(IRB)と日本ラグビーフットボール協会は26日、東京・秩父宮ラグビー場で7月2日から行われる予定だった「IRBパシフィック・ネーションズカップ 2011」の試合会場を変更すると発表した。
日本、サモア、フィジー、トンガの4カ国によるこの大会は、今年は東京開催が決定していたが、東日本大震災の影響を勘案し、IRBと日本ラグビー協会で協議した結果、ラウンド1「日本−サモア戦」のみ東京・秩父宮ラグビー場で開催し、残りの5試合をフィジーにて開催することが決定した。
フィジー開催となったラウンド2、ラウンド3については、試合会場やキックオフ時間など未定。
<IRBパシフィック・ネーションズカップ 2011>
●大会期間: 7月2〜13日
●試合会場: 東京・秩父宮ラグビー場/フィジー・ラウトカ、スバ
●大会スケジュール
◆ラウンド1
・7月2日(土) 日本 vs. サモア 〔東京・秩父宮ラグビー場/18時 開始〕
・7月2日(土) トンガ vs. フィジー 〔フィジー〕
◆ラウンド2
・7月9日(土) トンガ vs. サモア 〔フィジー〕
・7月9日(土) フィジー vs. 日本 〔フィジー〕
◆ラウンド3
・7月13日(水) サモア vs. フィジー 〔フィジー〕
・7月13日(水) 日本 vs. トンガ 〔フィジー〕
【矢部達三 日本ラグビー協会専務理事 コメント】
今回の決定は、日本ラグビーフットボール協会とIRBにとって、非常に難しい判断でした。すばらしい大会を開催しようと我々が取り組んできたことを考えると、非常に残念ですが、いたしかたない決定でした。
しかし、サモア戦を予定通り東京で行うことは喜ばしいことであり、この試合を日本のラグビーコミュニティを支援するイベントとし、かつ、最高のテストマッチを実施し、我々の力を示したいと思います。
フィジーラグビー協会に対しては、急な大会の受け入れにもかかわらず、承諾していただいたことに感謝申し上げるとともに、全面的なサポートをしていきたいと思います。
【ベルナール・ラパセ IRB会長 コメント】
日本ラグビーフットボール協会は、今年のIRBパシフィック・ネーションズカップの開催に対して非常に大きな熱意を示していただけに、今回の決定は関係者にとって難しい判断でしたが、誰もが、日本協会、日本、そしてこの大会にとって、これが最善策であったと考えます。
このたびの地震と津波に際し、世界中のラグビーファミリーは今も、国を挙げて復興に取り組む日本の人々、そして被災者の一人ひとりに心を寄せています。我々も日本協会に対し、支援と援助を続けていきます。
【ウィリアム・グレンライト IRBリージョナルGM・オセアニア担当兼トーナメントディレクター コメント】
昨年は150カ国以上でこの大会がテレビ放映されており、これだけの規模を持つ国際大会の開催には細部にわたる運営計画と準備が必要となります。
日本の他の人々と同様、日本ラグビーフットボール協会も、今回の地震と津波で大きな影響を受けました。当然のことながら、日本協会が現在取り組むべきことは、日本のラグビーコミュニティに対しできる限りのサポートを継続的に行うことと、5カ月後に迫ったラグビーワールドカップに向けた準備を行っていくことです。
日本協会は、今回の困難な局面に立っても非常に協力的な姿勢を示し、IRBとしては、同協会が大いに力を傾けてきたこの大会の中心であり続けるよう、取り組みました。それにより、2009年に同じように津波による大きな被害を受けた経験があるサモアが、当初の予定通り来日し、東京で日本戦に臨むことは、まさに結束と支援の表れです。
【ケニー・ダクインドレケティ フィジーラグビー協会CEO コメント】
日本の衝撃的な被災地の様子を見て、私たちはショックを受けました。この大会を我が国で開催するにあたり、日本ラグビーフットボール協会と日本のラグビーコミュニティ全体に対し、友情と支援の手を差し伸べたいと思います。
この大会が、日本にいる仲間との団結のシンボル、そして、太平洋諸島のラグビーの力を示すものとなるよう、力を入れて取り組んでいきます。日本代表チーム、および他の参加チームを我が国で迎えることを楽しみにしています。