ハイネケンカップ準々決勝展望 欧州最強の座はレンスターが本命?
いよいよ今週土曜日から、ヨーロッパ最強クラブを決める「ハイネケンカップ」準々決勝が行われる。昨シーズンはフランス勢による決勝となったが、今回8強に残ったのは、フランス勢が4チームで最多。イングランド勢2チーム、アイルランド勢2チームもチャンピオンの座を狙う。
Quarter Finals
<4月9日&10日>
ペルピニャン(FRA) vs. トゥーロン(FRA)
レンスター(IRE) vs. レスター・タイガース(ENG)
ノーサンプトン・セインツ(ENG) vs. アルスター(IRE)
ビアリッツ(FRA) vs. トゥールーズ(FRA)
キックオフを目前に控え、世界の大手ブックメーカー3社のオッズを交えながら各チームの横顔を紹介する。
77年の歴史を持つスポーツブックの最大手「ウイリアムヒル」、毎週40万件以上の賭けを提供するイギリスの「bet 365」、ラグビー王国ニュージーランドの「TAB」はいずれも、レンスター(アイルランド)を本命にした。2008−2009年シーズンのヨーロッパチャンピオン。マグナーズリーグでは現在4位につける。主力には、世界最高CTBのひとりと評され、アイルランド代表キャップ数112を誇るブライアン・オドリスコルがいる。
対抗馬と目されるのは、現在プレミアシップ4位のノーサンプトン・セインツ(イングランド)。昨シーズンのプレミアシップで16トライを奪ったMVP男、WTBクリス・アシュトンに期待が高まっている。今年のシックスネーションズではイタリア戦で4トライを記録するなど、イングランドの救世主として旋風を巻き起こしている。
昨シーズンの王者トゥールーズは3番手評価。現在、フランス選手権トップ14では首位を走っており、あなどれない。過去の成績を見ると、優勝4回は最多、準優勝も2回経験している。しかし、フランス代表主将でもあるFLティエリ・デュソトワールは3月26日のラシン・メトロ戦で足首と膝を負傷。完治まで1カ月とみられ、準々決勝欠場は濃厚だ。クラブ会長から戦力外通告を言い渡された元ニュージーランド代表のSHバイロン・ケラハーはラストシーズンに闘志を燃やしていたが、ふくらはぎを痛めて昨年12月からプレーできていない。足を痛めているSOフレデリック・ミシャラクの準々決勝出場も微妙な状況だ。
ウイリアムヒル社が唯一3番手タイの評価をつけているのが、イングランドのレスター・タイガース。準々決勝最大の注目カードである、優勝候補本命レンスターとの決戦は、2009年の決勝と同じ顔合わせ。そのとき3点差で夢破れたタイガースがリベンジに燃える。現在、プレミアシップ首位。イングランド代表司令塔のトビー・フラッドがいる。
優勝予想倍率1ケタ台をキープしたペルピニャンは、フランス代表PRニコラ・マスがキャプテンを務める。準々決勝の舞台はスペインのバルセロナ、オリンピックスタジアムで行われるが、ペルピニャンと同じカタルーニャ文化が背景にあり、熱狂的なサポートが期待される。
昨シーズン準優勝のビアリッツ(フランス)は、6番手評価ながら虎視眈々と頂上を狙っている。フランス代表NO8イマノル・アリノルドキや、2007年W杯で南アのハバナを振り切ったアメリカ代表WTBタクズワ・ングウェニアが主力。
スター軍団のトゥーロン(フランス)も要注意だ。司令塔にはイングランドの至宝ジョニー・ウィルキンソン、CTBにアルゼンチン代表主将フェリペ・コンテポーミ、元オールブラックスのPRカール・ハイマンや、元ワラビーズFLジョージ・スミス、元日本代表WTBクリスチャン・ロアマヌもおり、元スプリングボクスのFLジョー・ファンニーカークが主将を務める。
TABが最も辛口評価をつけたアルスター(アイルランド)は、優勝予想オッズ30倍。南アフリカの逸材が多く、第一列のBJ・ボタ、LOヨハン・ムラー、FLペドリ・ヴァネンバーグ、SHルアン・ピナールは世界クラス。特にヴァネンバーグは、ブルズでスーパーラグビーを制しており、ロッド・ケイファー、ダグ・ハウレットに続く3人目の南北制覇に期待がかかる。
なお、ハイネケンカップ準々決勝は「J SPORTS」で全試合生放送予定。ぜひお楽しみください。
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