スピアーズをカラフルに。ハラトア・ヴァイレアが「自分の強みで負けない」と宣言。
髪色は「シルバーです」。気分によって色のつくシャンプーを使い、青や紫にしてしまうこともある。
オンライン取材に応じた2月23日は、青が薄まった独自の風合いになっていた。
ハラトア・ヴァイレア。オレンジ色のジャージィをまとうクボタスピアーズ船橋・東京ベイのルーキーだ。
身長187センチ、体重105キロの24歳。カラーがその日により異なるのは、選手としても然りだ。
トンガから来日してプレーした日体大柏高、日体大では、FWの第3列から後衛のWTBやFBまで複数のポジションを担当したのだ。どの位置でも躍動した。
複数クラブとの競合によりスピアーズへ入ると、主戦場はアウトサイドCTBになった。首脳陣に「ボールキャリーもディフェンスもキックもできるし、CTBが合っている」と勧められたようだ。
「僕はどのポジションに入っても、その仕事をわかっている」
持ち味も多彩だ。タックラーを引きずりながらのオフロードパス、鋭い出足でのタックル、機を見てのジャッカルと、チャンスを広げてピンチを防ぐ大技を繰り出す。
彩度の低い、つまり地味かもしれぬ働きにも磨きをかける。自軍にいる元ニュージーランド代表の職人、ライアン・クロッティから防御ラインの上げ下げ、スペースの埋め方といった無形の好プレーについて学びを得る。
「先輩が、僕の足りないことを助けてくれる。クロッティ、結構、うまい。試合ではまねしています」
昨季は出場解禁となった4月にさっそく公式戦デビューを飾るも、間もなく離脱を余儀なくされた。膝にけがを負ったからだ。
同じ過ちは繰り返したくない。雌伏期間のリハビリメニューには、故障が治ったいまも取り組む。スクワット、レッグカールといった下半身のトレーニングで、周囲の筋力を保つ。
「(リハビリも)続けたほうが、もっとよくなるかもしれない」
スピアーズは現在、国内リーグワン1部で12チーム中2位。25日の第9節では、ホームの東京・江戸川区陸上競技場に現在5位の東芝ブレイブルーパス東京を迎える。こちらはクラブとして、カラフルな攻めを繰り出す。
ヴァイレアは3度目の出場を果たす。対面には、ニュージーランド、フィジーで代表経験を持つセタ・タマニバルを見据える。
「自分の強みで負けないようにがんばります。セタにミスさせるようにプレッシャーをかけ続けます」
有言実行した先に、今季8勝目がある。