田中史朗と大野均が語る「日本vsフランス」
オータム・ネーションズシリーズもいよいよ後半戦に突入、イングランドに大敗した日本は、いよいよ11月20日(日)に23年W杯のホスト国・フランスと敵地で激突する。同試合を生中継するWOWOWの解説を担当する田中史朗さんと大野均さんが、日本代表の現状やフランス戦の見どころを語った。(情報提供:WOWOW)
■20日(日)午後9時30分「フランスvs日本」生中継で見られるのはWOWOWだけ!■
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「しっかりタックル、確実にキープ」(田中史朗)
──まずはイングランド戦の率直な感想をお願いします。
田中「日本はミスもありましたが、そこまで悪い状態ではないと見ています。それ以上にイングランドのプレッシャー、またアウェーでの周りからの応援の力もあってこのような結果になったのではないかと思います」
──日本代表の良かった点を挙げるとすればどのあたりでしょうか?
田中「ラインアウトからのモールディフェンスはしっかりできていましたし、(押されていた)スクラムも後半1本取り返すなど、要所要所で良い部分がありました。ただ、全体的に相手のディフェンスのプレッシャーを受けてミスが多く出てしまったことが敗因だと思います。それでも後半、イングランドが少し疲れてきた時には日本もしっかり対応できるようになり、いいスピードでアタックを継続できていましたので、もう少し相手を疲れさせることができればもっと得点できたでしょう。いずれにしても敵地で厳しい試合を経験したこと自体が日本代表の大きな収穫です。若い選手も出場して、来年のW杯へ良い予行演習になったと思います」
──特にいいパフォーマンスをしていた選手を挙げていただけますか?
田中「フランカーのリーチ マイケル選手はアタックでずっと継続して前に出ていました。非常に良かったです。あとは両スクラムハーフ(流大選手、齋藤直人選手)ですね。いいテンポでボールをさばいていたことに加えてサポートの面も素晴らしく、齋藤選手はトライを取ってくれました。本当にレベルの高い、世界的なスクラムハーフの2人だなと思います」
──バックス全体についてはいかがでしたか?
田中「全体的に個人でラグビーをしてしまっていた印象があります。チームで動いてトライを取るのが本来の日本のスタイルです。イングランド戦はそういう場面がなく、たとえばセンターのディラン・ライリー選手が一人で抜けてもその後のサポートが続かずミスして終わってしまったり、キックから簡単に相手ボールにしてしまうというシーンが多く見られました。また、流選手や齋藤選手が常に声を出していたのに対して、スタンドオフの選手が少し静かだったようにも感じましたので、チーム全体でもっとコミュニケーションを取ってプレーしてもらいたいです」
──フランス戦ではどのあたりが重要になるでしょうか?
田中「イングランドには敗れましたが自分たちを見つめ直して、しっかり相手を見てプレーしてほしいですね。フランスは個人個人が強く伝統のシャンパンラグビーが復活してきたように感じますので、一人一人がしっかりタックルすること、そして確実にボールをキープすることが大事だと考えています」
──解説には元日本代表の大野均さんもいらっしゃいます。
田中「楽しみですね。大野さんはあまり多くを語らない方なので、解説でどんなことを話してくれるのか今から待ち遠しいです」