国内
2014.04.23
帝京大FB重一生 「ファーストジャージィを維持する」
大学選手権5連覇中の帝京大で2年のFB重一生は、大事なステージに立ち会えなかった昨季の雪辱を果たしたい。
2月16日、東京・秩父宮ラグビー場。チームは目標だったトップリーグ(TL=国内最高峰リーグ)勢撃破をかけ、トヨタ自動車との日本選手権1回戦に臨む。新人ながらベンチ入りを果たしたFB重は、結局、出番なし。13−38で黒星を喫した瞬間をタッチラインの外で見届けるしかなかった。
「あの時は、出ている人とは違った悔しさがこみ上げてきて…」
常翔学園高3年時は、全国高校ラグビー大会で日本一に輝く。身長170センチと小柄も、強い体幹を活かした粘り強い走りと密集でのターンオーバーで存在感を示した。しかし帝京大でのルーキーイヤーは再三、怪我に見舞われた。所属する関東大学対抗戦A、学生王座を争う大学選手権での出場機会はなかった。
「(日本選手権時は)怪我がかさんで、信頼を勝ち取れなかった。実力不足を改善しよう、と」
期待に応えたい。4月20日、中大との関東大学春季大会初戦に先発した(○ 82−7/東京・帝京大グラウンド)。本人が「迷いがあって…」と攻撃時の判断力に関し反省点を口にするなか、岩出雅之監督も「ぼちぼち。まだまだあれではレギュラーは取れない」。ただ指揮官は、「1試合だけでは判断しません。本来持っている可能性を引き出したい」とも続けた。 FB重は言う。
「ファーストジャージィ(レギュラーの座)を維持する。大学だけで終わるんじゃなく、その先も考えてプレーしたい。いい緊張感を持てていると思います」
27日に春季大会の大東大戦(帝京大グラウンド)に挑むチームは、今年度もTL勢撃破を狙う。
(文・向 風見也)