2冠達成の中嶋監督勇退! パナ新監督に名将ディーンズ 「更に前へ進む」
司令塔のベリック・バーンズとはオーストラリア代表で信頼関係を築いた仲
(撮影:Yasu Takahashi / Nichigo Press)
昨シーズンにトップリーグと日本選手権の2冠を獲得し、ジャパンラグビー界の頂点に立ったパナソニック ワイルドナイツが、2014年度の新体制を発表した。
2011年から指揮を執り、大仕事をやり遂げた中嶋則文監督は5月1日付で勇退。2冠という目的を達成したこと、また、「今後はビジネスでパナソニックの事業発展に貢献し、企業スポーツ人材のセカンドキャリアの良い見本となるよう努力したい」という本人の希望も踏まえ、監督を交代することとなった。
新監督には前オーストラリア代表ヘッドコーチのロビー・ディーンズ氏(54歳)が就任する。ワイルドナイツは以前からカンタベリーラグビー協会(ニュージーランド)と交流があり、同地方代表やクルセイダーズで指導をしていたディーンズ氏は、これまでもアドバイザーや臨時コーチとしてワイルドナイツに携わっていた。
選手時代はFBで活躍し、オールブラックスとしてテストマッチ5試合に出場。指導者となってからは1997年にカンタベリーを国内王者に導き、南半球最高峰のスーパーラグビーではクルセイダーズのヘッドコーチとして5回(2000、2002、2005、2006、2008)優勝を遂げた名将だ。
ニュージーランド出身のディーンズ氏は、2008年にオーストラリア代表史上初の外国人ヘッドコーチとして、ワラビーズの指揮官に就任。2011年には、南半球3か国対抗戦(トライネーションズ)の栄冠を10年ぶりにオーストラリアにもたらし、同年のワールドカップは準決勝で敗れながらも3位という結果を残した。そして、2013年7月にブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズとのテストマッチシリーズを終えたあと、オーストラリア代表ヘッドコーチを辞任していた。
同氏はワイルドナイツを通じ、「パナソニックラグビー部とは十年近くにおよび交流を持ってきましたが、今回このような形で関係を継続することができて非常に嬉しく思っています。パナソニックの選手、スタッフ、関係者とともに強いチームをつくり上げることを今まで楽しんできましたし、パナソニックの試合を観ることも楽しみの一つでした。今シーズン、この良い環境のなかで、より良いチームを作ることを楽しみにしております。昨シーズンは素晴らしいシーズンでしたが、更に前に進みたいと思っています」と意気込みを語った。
カンタベリーで4連覇を遂げたことがあるニュージーランド出身のもうひとりの名指揮官、ロブ・ペニー氏(現 マンスター監督)も今季からNTTコミュニケーションズ シャイニングアークスの新ヘッドコーチに就任するため、トップリーグでの2人の対決に注目が集まりそうだ。
また、ワイルドナイツは2013年度シーズンをもって引退/退部する選手を発表し、2007年のワールドカップに出場した元日本代表のPR相馬朋和と、日本代表3キャップ保持者であるFB田邉淳が競技者生活を終えることが明らかになった。相馬氏はスクラムコーチに就任し、昨季はディベロップメントコーチを兼任していた田邉氏はBKコーチに新任する。
そして、2011年ワールドカップで桜のジャージーを着たFL/NO8バツベイ シオネ(31歳)と、4年間在籍したSH小西大樹(26歳)、ディーンズ新監督の甥(おい)であるSO/CTBマイケル・ホッブス(26歳)の退部も明らかとなった。