【香港セブンズ現地リポ】 日本、悲願達成まであと2つ 「勝つ自信ある!」
チームの充実を感じている表情だった。坂井克行主将は「やろうとしたことがやれた」と言った。
「こういう(雨模様の)天気ですから、キックに対してしっかりプレーしようと。これが最後じゃないけど、通過点としてはいい試合ができた」
前半奪った4トライのうち、2トライは相手のキックを処理した後に連係し、取り切ったものだった。
ジャパンにとってはコアチーム昇格決定大会である香港セブンズ。2日目の初戦でクック諸島に勝った桜のジャージーは、『負けたら終わり』のトーナメントに入っても歩調を乱さなかった。準々決勝でのチュニジア戦に38-7の完勝。明日(3月30日)の準決勝でロシアと対戦することが決まった。優勝チームだけが手にできるコアチームへの昇格権まで、あと2勝だ。
瀬川智広ヘッドコーチが「最初からよく体が動いていた。ウォーミングアップからよかった」と振り返った試合。チームに勢いを与えたのは約1分30秒で決めた、ロテ・トゥキリのトライだ。スクラムから大きくボールを動かし、ジョセファ・リリダムがタテに仕掛ける。トゥキリがパスを受け、トライラインを越えた。トゥキリは3分過ぎにも忠実にサポートに走り、小澤大がインゴールまで持ち込んだボールを押さえた。チームに安心感を与える2トライだった。
前半残りの2トライは、プラン通りのものだった。自分たちが蹴ったボールをしっかりチェイスすることを約束して臨んだゲームで、相手キックに対してもきっちり戻った。ボールを手にした者は、周囲に仲間を感じていたからタテに出た。瀬川ヘッドコーチは、前戦に少し足りなかった仕掛ける姿勢を評価した。
後半、キックオフ時のすれ違いから1トライを許したものの、2トライを追加して完勝。藤田慶和は、「大会の後半戦の導入となる試合でいい試合ができた。勢いでなく、やろうとしたことがやれた」と手応えを感じた。
ターゲット到達まで残り2勝となったことについて瀬川ヘッドコーチは、「ここに残った4チームは、どこも同じくらい強い気持ちで(コアチームに)上がりたいと思っている」と語り、「我慢」をキーワードとした。極限の緊張感の中で、どちらがミスせずにやり切れるのか。出し切れるのか。
「ロシアは昨年のワールドカップ・セブンズのプールで引き分け、そのリベンジと思って臨んだボウル決勝で敗れた相手。昨年勝てなかったロシアにここでもう一度戦えるということは、私たちにとって、借りを返す絶好の機会が得られたと考えている。ロシアもコアチーム入りのためにしっかりと準備してきているチームなので、おそらくタイトな試合になると思うが、やってきたことを信じて、最後まで日本のラグビーをやり切る。あの時よりも、明らかに日本は走れるようになっている。勝つ自信はあります」
これから10数時間のうちに、運命の時がやって来る。準決勝は12時56分(日本時間 13時56分)キックオフ。ファイナルが始まるのは16時36分(日本時間 17時36分)。すべての感覚を研ぎ澄まして決戦に挑む。
「あとは気持ちの勝負。やってきたことを信じてやり切るだけ」
坂井主将の言葉は、チームの総意でもある。
【準決勝】
・SF1/日本×ロシア
・SF2/イタリア×香港
【決勝】
・SF1勝者×SF2勝者