ヨーロッパ最強の座をかけ熱戦再開 ハイネケンカップは準決勝に突入
ヨーロッパ最強クラブチームを決める「ハイネケンカップ」は、30日から準決勝が始まる。昨シーズンの王者トゥールーズと、同じくフランス勢のペルピニャン、それにレンスター(アイルランド)とノーサンプトン・セインツ(イングランド)がベスト4に残った。
予想の専門である大手ブックメーカーのほとんどが優勝候補1番手に推すのはレンスターで、最も人気薄なのがペルピニャン。しかし、激戦を勝ち抜いた4強の一発勝負なだけに、どこが栄冠に輝いても不思議ではない。
準決勝第1試合
レンスター(アイルランド) vs. トゥールーズ(フランス)
〔4月30日/アビバ・スタジアム、ダブリン(アイルランド)〕
【レンスター】
1879年創立。ハイネケンカップは優勝1回(2008−09)。昨年も準決勝でトゥールーズと対戦し、16−26で敗れている。過去3回の対戦は2勝1敗でトゥールーズがリード。しかし、その3戦はいずれもホームチームが勝っており、今回は地元のレンスターが有利か。中心選手はアイルランド代表112キャップを誇る世界的スター、CTBブライアン・オドリスコル。英国ウィリアム王子の結婚式に招待されながら、この試合に集中するため欠席を選んだ。チーム1のトライゲッターはWTBシェーン・ホーガンだが、FLショーン・オブライエンも好調で、今シーズンのハイネケンカップですでに4トライを記録している。
【トゥールーズ】
1907年創立。昨シーズンのヨーロッパ王者。ハイネケンカップの準決勝に進むのは10度目。過去15回の歴史のなかで、4度優勝(1996、2003、2005、2010)は断トツのトップであり、自他ともに認める北の最強スター軍団である。今シーズンはフランス国内選手権トップ14でも首位と絶好調。トップ14でトライ王争いを独走するFB/WTBマキシム・メダールが攻撃の要であり、準々決勝を欠場したフランス代表主将のFLティエリ・デュソトワールが戦列復帰するのは頼もしい。ビアリッツとの準々決勝延長戦で途中出場ながら決勝トライを奪ったラッキーボーイ、FLヤニック・ニアンガが先発メンバーに名を連ねた。
準決勝第2試合
ノーサンプトン・セインツ(イングランド) vs. ペルピニャン(フランス)
〔5月1日/スタジアム:mk、ミルトンキーンズ(イングランド)〕
【ノーサンプトン・セインツ】
1880年創立。ハイネケンカップ優勝1回(1999−00)、2008−09シーズンには欧州チャレンジカップを獲得した。今シーズンは唯一、プール戦から負け知らず。1997−98シーズンからリーグ戦でホーム&アウェー方式を採用して以来、無敗で頂点に立ったチームは未だかつてなく、歴史を塗り替えるビッグチャンスだ。昨シーズンのプレミアシップMVPであるクリス・アシュトンは、今やイングランドの最強フィニッシャー。今季プレミアシップでもトライランキング2位につけており、パワフルな走りは破壊力十分。プレミアシップの今季優秀選手にノミネートされた、元南アフリカ代表PRブライアン・ムジャティがスクラムの鍵を握る。
【ペルピニャン】
1902年創立。2002−03シーズンのファイナリスト。今シーズン4強に残ったチームのなかで唯一、ハイネケンカップ優勝の経験がない。今季のフランス国内選手権トップ14では9位と優勝戦線から脱落しており、ハイネケンカップにターゲットを定めてきた。大物選手は少なく、“アンダードッグ”(予想された敗者)との見方は強いが、準々決勝のトゥーロン戦ではリードを許しながらも粘り強く食らいつき、競り合いを制しているだけに侮れない。中心選手は、主将を務めるフランス代表のPRニコラ・マスと、CTBダヴィド・マルティ。