国内 2014.01.03

互いに持ち味出したハードバトル 東福岡が大阪朝鮮倒し4強入り

互いに持ち味出したハードバトル 東福岡が大阪朝鮮倒し4強入り

QF1

ノーサイド。健闘を称え合う東福岡と大阪朝鮮高の選手たち(撮影:松本かおり)

 第93回全国高校ラグビー大会は1月3日、準々決勝の4試合が行われ、春冬連覇を狙う大阪桐蔭(大阪第2)と、センバツ準優勝の東海大仰星(大阪第1)、関東王者で同じAシード校の桐蔭学園(神奈川)、そして2大会ぶりの王座奪還を目指す東福岡(福岡)が準決勝進出を決めた。

 まず4強入りの切符をつかんだのは東福岡だった。準々決勝の第1試合で大阪朝鮮高と対戦し、30−24で激闘を制した。
 先制したのは九州チャンピオンの東福岡。前半16分、敵陣深くでのラインアウトからモールにこだわり、頑丈なFW陣がゴール前でさらに前進を繰り返したあと、大きく左へ展開し、WTB岩佐賢人がインゴールに飛び込んだ。
 しかし大阪朝鮮は20分、ゴール前ラインアウトから強力FWがモールで押し込みトライ。ゴールも決まり逆転する。
 取られたら取り返す、ハードなアタッキングゲーム。再スタート後すぐ、敵陣22メートルライン付近左のブレイクダウンでターンオーバーした東福岡は、スペースがある右へ展開し、俊敏なSO松尾将太郎が自ら切り込んで次々とディフェンダーをかわし、勝ち越した。12−7で前半終了。

 だが、差はすぐに縮まる。後半のマイボールキックオフでボールを確保した大阪朝鮮は、得意のモールドライブで同点に追いついた。
 ならばと、東福岡は7分、ゴール前でのスクラムからNO8徳田隆之介が右を果敢に攻め、腕を伸ばしてグラウンディング。11分にはハーフウェイ左サイドをFB市橋誠が突破し、サポートした快足のWTB岩佐がタッチライン沿いを走り切ってインゴール左隅に飛び込んだ。22−12となる。

 しかし、今春の全国選抜大会でベスト4だった大阪朝鮮がここから意地を見せた。直後のキックオフで再びボールを確保すると、ハイパントを使って敵陣深くに入り、モールでトライ。17分には、ポスト正面でもらったペナルティチャンスからすぐに仕掛けて左へ展開し、CTB李直樹がゴールラインを越えた。コンバージョンキックも成功し、大阪朝鮮が2点をリードする。
 それでも、経験豊富な東福岡の選手たちは慌てない。22分、ペナルティゴールで逆転。そして28分、ヒガシは自陣22メートルライン内から展開し、右サイドをキャプテンのWTB東川寛史が突破、ハーフウェイ手前でパスを受け取ったSH中島陸斗がロングランでチーム5トライ目を挙げ、残り時間を守り切った。

 勝った東福岡の藤田雄一郎監督は試合後、「(グラウンドいっぱいにボールを動かすという)やってきたことが正しかったと感じられた試合だった」とコメント。敗退した大阪朝鮮の呉英吉監督は、「お互いが持ち味を出してがっぷりで組んだゲーム。ただ、ミスにつけ込むうまさはヒガシの方が上だった」と激闘を振り返った。

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