NTTダービーを制すも、林雅人監督に「残念」だった一点あり。
<トップリーグ 2013−2014 2ndステージ Bグループ 第4節>
NTTコム 24 − 14 NTTドコモ
(2013年12月21日/東京・秩父宮ラグビー場)
後半27分に貴重なトライを奪ったNTTコムのCTBマット・サンダーズ。
(撮影/松本かおり)
後半10分、NTTコムのPR秋葉俊和が反則のくり返しでイエローカード、ピッチの外に出た。NTTドコモの勢いに乗ったアタックに、たまらず…のプレーだった。
その直後、ラインアウトからのモールを押し込んだNTTドコモは、途中出場のFLハインリッヒ・ブルソーがボールをインゴールに押さえてトライ。コンバージョンも決まり、前半0-10だった試合は7-10と熱を帯びた。さらに、ひとり多い状況で前に出るドコモ。なおも攻め立て、コム側トライラインに迫ったが、左コーナーギリギリでトライセービングタックルを見せたのがコムの友井川拓主将だった(後半15分)。
「FWが頑張ってくれた。プレッシャーをかけ続けて手にした勝利」(主将談)
この時間帯を結束力でしのぎ切ったNTTコムは、やがて自分たちのテンポを取り戻す。粘り強くボールを維持し続け、機を見て切り裂いた。27分にCTBマット・サンダーズ、31分にNO8トッド・クレバーがインゴールに飛び込み、最終スコアは24-14。セカンドステージで4連敗となった下沖正博ヘッドコーチは「コムの強味であるディフェンスの強さ、ブレイクダウンで受けてしまいミスが出た」と語り、NTTダービー今季2敗目に唇を噛んだ。
この試合でマン・オブ・ザ・マッチに選ばれたのはNTTコムの司令塔、君島良夫。キックを巧みに使ってゲームをコントロールした。また、前半31分のチャンスを見逃さず、右オープンへ大きくキックパス。ボールはキャッチしたLOアイザック・ロスからNO8クレバーへと渡り、トライを奪ったプレーは見事だった。
林雅人監督は勝利に安堵の表情を見せたが、残念なことがひとつあったと言った。
「夏の練習試合、きょうと同じ担当レフリーで両チームに5枚のイエローカードが出る試合を経験しました。だから覚悟はしていたのですが…」
昨季はシーズンを通してイエローカードを一度も受けなかった同チーム。しかしこの日は冒頭のように一時退場処分を受け、手放しで喜ぶ勝利ではない気持ちを口にした。