国内
2013.12.02
後半開始早々、地金が出る。満員の早明戦は早大に軍配!
<関東大学対抗戦A>
早大 15 − 3 明大
(2013年12月1日/東京・国立競技場)
早大 15 − 3 明大
(2013年12月1日/東京・国立競技場)
前進する早稲田のNO8佐藤穣司。終盤に勝利を決定づけるトライを獲得した
(撮影:松本かおり)
(撮影:松本かおり)
普段と違う。両校の集客活動などの成果で5万人近くのファンが集った伝統の早明戦。観客数が1万人を割ることも多い日本のラグビーのゲームにおいては明らかに異質だった。
キックオフ。今季ここまで3勝3敗の明大は、その普段通りでないなか躍った。LO大椙慎也は乗っけから「ガツガツ行こう」とし、NO8圓生正義主将は「応援が力になった」。スクラム、接点で激しくぶつかる。早大は「緊張もあったかな」とFL金正奎副将。「普段やらないミス」を重ね、「あがり」と無縁のFL布巻峻介もこの調子だった。
「ホントはそんなんじゃないのに、早明戦だから僕がミスしてるみたいな感じにして。申し訳なかったな」
普段通りではない試合でも、しかし、普段通りの姿が覗く瞬間がある。後半開始早々、明大が相手が蹴り込んだ球をお見合い。「要所で集中力が切れるのがメイジの良くない点」と丹羽政彦監督。そこに付け込み攻め続けた早大は、普段通りに仕留めるスペースを探すFL金が左タッチライン際で球をもらう。勝ち越し。8−3。白星を挙げた後藤禎和監督は、普段の地金が現れたこのシーンを勝負の分岐点に挙げたものだ。
(文・向風見也)