躍動の司令塔。流経大を大勝、5連勝に導く。
スピードが高まったSO合谷和弘。得点機を次々と作った。(撮影/松本かおり)
背番号10が躍動した。司令塔が気持ちよくプレーすれば、チームは勝つ。関東大学リーグ戦1部で好調の流通経済大学が11月4日(上柚木)の日本大学戦も74-10で勝利し、今季の成績を5戦全勝とした。
試合後の円陣。内山達二監督は、選手に言った。
「序盤に簡単にトライを奪えた後、緩んだ時間があった。それを除けばパーフェクト」
前半4分までに4トライ。立ち上がりに結束して24-0とリードした。後半は7トライを奪い50-0。監督の言うとおり、前半終盤に10点を与えた以外は、白いジャージーが快適に時間を過ごした。
チームを勢いに乗せたのはSOの合谷和弘だ。積極的に自ら動き、周囲を走らせた。前後半を通して個人で挙げた得点は39点(4T8G1PG)。途中からはFBのポジションに入り、「自由に動けた」と笑顔を見せた。
その司令塔は、「FWが前へ出てくれたのでSOでもやりやすかった」と快勝の80分を振り返った。NO8高森一輝主将が先頭に立って走る。FLジョージ・リサレ、HO植村健太郎がガツガツ当たる。前へ、前へと進む姿勢に日大は受けてばかりだった。
「相手を見て対応する力も見せてくれた。自分たちでテンションを変えてしまい、ミスしたり、反則した時間帯もあったが、まだまだのびしろがあるチーム。対抗戦上位に勝つには、もう2ステップ、3ステップ頑張らないといけないけど、リザーブメンバーまで全員使って後半をゼロに抑えられたのは収穫」
内山監督は、同じ全勝の中大と対戦する2週間後、東海大と戦うリーグ戦最終戦をにらむとともに、頂上決戦へと続く道をしっかりと見据えていた。
頂点を目指すチームにとって、ゲームメーカーの充実は心強い。殊勲の『ケビン』(合谷のニックネーム)は、成長を自分でも感じている。
「もともと抜く瞬間のスピードがあると言われているんですが、実際に以前より速くなった気はしています」
スタート時の意識を高く持つことで、初速が高まった。得意のステップも鋭さを増した。
「帝京に勝ちたい」
それは、シーズン最後まで勝ち続けることを意味している。