右肩壊したNZ代表の司令塔カーター 復帰ターゲットは欧州遠征か
ダン・カーター
(Photo:NZRU)
14日の南アフリカ代表戦で右肩を痛め、前半早々にベンチへ退いていたニュージーランド代表のSOダン・カーターが、ラグビーチャンピオンシップ(南半球4カ国対抗戦)の残り2試合を欠場することが濃厚となった。
4勝0敗で現在トップに立っている前王者のオールブラックスだが、ほかにも、主将のFLリッチー・マコウが左膝を負傷して離脱中であり、連覇に向けては厳しい戦いが続く。
オールブラックスとして97キャップを重ね、テストマッチ最多得点の世界記録を持つカーターは、土曜日に地元オークランドで行われた宿敵との全勝対決で、前半15分に南ア代表HOビスマルク・デュプレッシーの出足鋭い強烈なタックルを受け、右肩の肩鎖関節を損傷した。このケガは通常、治るまでに4〜6週間かかるといわれており、スティーヴ・ハンセン ヘッドコーチは優勝がかかる10月5日の最終戦(南ア代表との第2戦)もカーター抜きの布陣で臨む予定だ。
地元メディアによれば、指揮官は「願わくば、彼をパリ行きの飛行機に乗せたい」と発言しており、カーターは日本遠征には同行しない可能性が高まった。
ニュージーランド代表は、ラグビーチャンピオンシップの2週間後(10月19日)にオーストラリア代表とブレディスローカップ第3戦を行い、11月2日には東京で日本代表と対戦。その後はヨーロッパへ飛び、フランス代表、イングランド代表、アイルランド代表と激突する。
世界最高峰の司令塔と呼ばれるカーターだが、2011年の母国開催ワールドカップではプール戦終盤の練習中に左足付け根の内転筋を断裂し、涙を枯らして、スーツ姿で金メダルを受け取った。31歳になった今年は、右手骨折やふくらはぎの負傷などケガに苦しむことが多く、今季終了後に半年間の休養をとると決断したことは、将来的には“吉”となるかもしれない。
できればこの秋、秩父宮ラグビー場でカーターの勇姿を見たいものだが…。