パナソニックだ! 来日の噂あった豪代表バーンズと南ア代表JP、ダブル加入
ワイルドナイツの新たな司令塔、ベーリック・バーンズ
(撮影:Yasu Takahashi / Nichigo Press)
王座奪還を目指すパナソニック ワイルドナイツが、世界的スター2人を獲得した。ひとりは、かねてから噂があったオーストラリア代表の万能BKベーリック・バーンズ(26歳)。もうひとりは、南アフリカ代表のバックラインに欠かせない存在、JP・ピーターセン(26歳)だ。両選手ともスーパーラグビー終了後に来日予定だが、テストマッチのメンバーに招集された場合はずれ込む可能性がある。
ビッグスター2人のほかに、U19ニュージーランド代表の経歴を持つSO/CTBマイケル・ホッブス(25歳)と埼玉工業大出身のFL/NO8アサエリ・バル(24歳)もワイルドナイツ入りが決定。昨季在籍していたHO熊崎伸治朗(19歳)は、ニュージーランドのノースハーバーU20代表チームに挑戦するため退部する。
SO、CTB、FBでトップレベルのプレーができるバーンズは、現在はワラタス所属。膝の故障で出遅れ、3月中旬のチーターズ戦で今季スーパーラグビー初登場となったが、その試合で右手親指を脱臼してしまった。しかし今月中には戦列復帰する予定で、6月のブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズとのテストシリーズにもオーストラリア代表(ワラビーズ)として出場が期待されている。
攻守両面で信頼が厚く、2015年ワールドカップで王座奪還を目指すワラビーズには欠かせない存在だ。ラグビーリーグ(13人制)から転向してきて1年半後の2007年9月、ワールドカップの日本代表戦でテストマッチデビュー。以来、50キャップを重ねた。2011年のスーパーラグビーで脳震とうに苦しみ、引退の危機にあったバーンズだが、ロビー・ディーンズ代表ヘッドコーチは同年のワールドカップスコッドに彼を呼び、期待に応えて5試合に出場、銅メダル獲得に貢献した。
ヤコ、デュプレア、フーリー、ロッソウ、カンコウスキー、ベッカーなどに続き、南アフリカの新たな超大物が来日する。パナソニックは8日、2007年ワールドカップの優勝メンバーであるJP・ピーターセンの今季加入を発表。まだ26歳と現役バリバリの大型WTBだが、アカデミー生時代からシャークス一筋であり、7年間でテストマッチ48試合出場と、スプリングボックス(南ア代表)の第一線で長年活躍してきたため、リフレッシュを求めて環境の変化を望んでいた。
スピードとクリエイティブな走りでラインブレイクに優れるピーターセンは、2007年スーパーラグビーのトライ王。ディフェンスへの評価も高く、FBとCTBでもプレーできる。昨年はシャークスのスーパーラグビー決勝進出に大きく貢献し、南ア選手協会が選ぶ年間最優秀選手に選ばれた。
今年の南ア国内選手権(カリーカップ)には参加しないが、シャークス生え抜きのスター選手であり、日本シーズン終了後は帰国し、再びスーパーラグビーでプレーすると思われる。南アのスポーツ専門チャンネル『Super Sport』によれば、パナソニックとの契約期間は2年で、6月と11月のウインドウマンスは南ア代表としてのプレーは可能だが、8月から10月にかけて行われる南半球4カ国対抗戦(ラグビーチャンピオンシップ)はトップリーグシーズンと重なるため、日本ラグビーに集中したい意向を持っているという。フランスのトゥーロンやスタッド・フランセも獲得に興味を示していたが、最終的にピーターセンのハートを射止めたのはパナソニックだった。彼の代理人は地元メディアに対し、「南ア選手としては過去最高額クラスの“モンスター取引”を結んだ」とコメントしている。
父親が熱狂的なラグビーファンで、ウエールズの伝説の男、JPR・ウィリアムズのようなラグビー選手になってほしいとの願いからJP(Jon-Paul Roger)と名付けられた。少年時代にサッカーに熱中していたら、父から「息子よ、我が家はラグビーファミリーだから、どうしてもサッカーをやりたいんだったら家から出ていきなさい」と言われ、楕円球を手にしたという逸話を持つ(英・テレグラフ紙より)。才能豊かなJP・ピーターセンは、いつか南アラグビー界のレジェンドになりうるトップアスリートだ。
なお、パナソニックは2013年度の新体制も発表。現在はスーパーラグビー(レベルズ)に挑戦中のHO堀江翔太(27歳)がキャプテンを務めることが明らかになった。新バイスキャプテンはWTB北川智規(29歳)。FB田邉淳(34歳)はディベロップメントコーチを兼任する。
(今季トップリーグでプレーすることになった南アの人気者、JP・ピーターセン)