日本代表 2020.11.28

来年までは一本で勝負。鈴木彩夏(サクラセブンズ)

[ 編集部 ]
来年までは一本で勝負。鈴木彩夏(サクラセブンズ)
11月29日の試合にベストコンディションで臨むため、27日の練習はメインメニューから外れた。中央が鈴木彩夏。(撮影/松本かおり)


 高いレベルで攻守にバランスのとれたアスリートだ。鈴木彩夏(さやか)のオリンピックに懸ける思いは強い。
 11月29日におこなわれる『リポビタンD presents JAPAN RUGBY CHALLENGE 2020』(熊谷ラグビー場)でも好アピールをしそうだ。

 2017年におこなわれた(女子)ワールドカップのメンバーにも選ばれた。当時は流通経済大学の2年生。この春から、三菱地所プロパティマネジメント株式会社で働く。
 就職と同時に所属チームを横浜TKMに決めたのは、同チームがセブンズと15人制の両方に注力しているからだ。
 両方やっていきたい。やれる力がある。

 ただ、来年の夏まではセブンズに集中したいと考えている。
 もともと、2020年に五輪を目指し、2021年は15人制のワールドカップ(9月にニュージーランドで開幕)へ。そう考えていたが、五輪が延期となって絵を描き変えた。

「ワールドカップにも出たいと考えていましたが、(早くから7人制代表に)に呼んでいただいていたので、いまはセブンズ一本で考えています。(五輪は)4年に一度の大会。誰でも出られるわけではありません。(巡り合わせで自分にチャレンジできる)チャンスがあることは大きいと思っています」

 現在チーム内ではリーダーグループの一人。他のリーダーたちとともに、メンバーのメンタル面のサポートに注力する。結束力のある集団になるためだ。
 トレーニングが終われば、すぐに少人数で円陣を作り、スモールトークをおこなう。その場で問題解決をする。
 チームには、お互いを刺激しあって進化していこうとする空気がある。

 兄・達哉さんは慶大ラグビー部OBで、東京ガスでプレーを続けている。就職時には周囲に声をかけて現職に就く道を作ってくれた。
 ラグビー優先の環境にあるものの、代表活動がない時には出社して社業に取り組む。
 横浜TKMでも、仕事をしながらラグビーをプレーする仲間との時間がある。学生時代とは違う経験が、自分に好影響を与えているように感じる。

 自身の強みを「アタックでの思い切りの良さ」と話し、「ラインブレイクをしていきたい」と言う。チームの目指す、ボールと人の動くラグビーにも適応する。
 15人制プレー時に得意としていた「ボールを持った時の一瞬の加速」は、セブンズでも活きている。広いスペースのあるフィールドで、自身の良さをアピールしたい。

 セレクションマッチという位置付けの試合にも、「まずは自分のパフォーマンスをきっちり出すことが大事」と気負いはない。
 自然体で、チームに必要不可欠な存在となるための階段を昇っていく。

165センチ、65キロ。23歳。

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