御所実ルーキーWTB竹山 変幻自在ステップと位置取りの妙で日本一狙う
大阪・近鉄花園ラグビー場での全国高校ラグビー大会は、7日に決勝戦が行われる予定で、御所実(奈良)が常翔学園(大阪第1)と対戦する。王座には、準優勝した2008年度(当時は御所工・実)以来4季ぶり2度目の挑戦となる。新人ながら先発出場を続けるWTB竹山晃暉は「まず1対1は必ず抜く。(目標は)優勝です」と宣言した。
小柄なFW陣が一体となるモールと粘り強い守備、仕留め役のスピード感が特長の御所実。5日の準決勝では、茗渓学園(茨城)を48−17で制した。決勝戦では高校日本代表のSH/FB重一生らを擁する常翔学園と戦い、初優勝を狙う。
身長175センチ、体重75キロのWTB竹山は、3歳で広陵少年ラグビースクールで競技を始め、河合第二中を経て御所実入り。2009年1月7日、花園の決勝で常翔啓光学園(大阪第1)に15−24と敗れたチームを見て「自分は高校1、2、3年で御所で日本一になりたい」と決意を固めた。
1年目の夏からレギュラーに定着した。ボールを持っていないときは「どこにスペースがあるか、どこが空いているか。その情報を(味方に)送る。声と、ジェスチャーで」。向こう側の守備の並び方や顔の向きなどを鑑み、チャンスを得られそうな立ち位置へ移動。パスをもらえば、緩急自在な走りを披露する。「相手の来そうな方向」と逆側へ踏み出すのが、ステップの肝だそうだ。
準決勝の前半13分、WTB竹山はチーム2本目のトライを決めた。相手の落球を拾った仲間からパスを受けての得点に、「試合前に考えていた理想のトライが、先輩に付いていって自分が決めるもの。実行できてよかったです」と笑った。試合後の取材エリアで女性記者の「アニメみたい。かわいい」という声が飛ぶなか、こう決意を語る。
「これまで先輩たちに迷惑をかけてきて、決勝に勝つことでしか恩返しできない。貢献できるように頑張りたいです」
決勝戦は7日、14時キックオフ予定だ。
(文・向風見也)
御所実でトップクラスの俊足を持つWTB竹山晃暉。初の花園制覇へ気合十分だ。写真は東京戦より
(撮影:松本かおり)