2年ぶり国立の東海大 FL谷は「相手にとって嫌なこと」を続ける
初の日本一目指す東海大のキーマンとなる谷昌樹(中央上から2人目)
(撮影:BBM)
今季の関東大学リーグ戦1部で首位の東海大は2013年1月2日、東京・国立競技場で大学選手権準決勝に挑む。関東大学対抗戦A優勝の筑波大を前に、FL谷昌樹は持ち前の観察眼を発揮できるか。
12月23日、大学選手権のセカンドステージ第3節で、明大に45−36と勝利(東京・秩父宮ラグビー場)。筑波大、帝京大と対抗戦同時優勝を果たした相手に、谷は後半14分に勝ち越し点を決める。敵陣での自軍ボールスクラムの脇から味方FW陣が縦突破を続けるなか、守備の薄い左タッチライン際へ先回り。HO北出卓也のラストパスを受け、ゴールラインを割った。
「明治さん、全員の目が内(仲間が突破を図る接点の付近)に向いていたんです。(大外が)チャンスだと思って」
前半には自陣からのカウンター攻撃でパスを受け、左タッチライン際を激走。直後に球は右へ繋がり、24分にWTB小原政佑がトライを決めた。東海大仰星高卒の4年生である谷は、自らのポジショニングについて「相手が全員(グラウンドの内側に)寄っていて、(自分の正面に立つ選手は)たぶん、(スピードのやや劣る)フロントローの人だったんです。『ミスマッチだ。左、狙える』と思って勝負しました」と振り返った。
「常に相手の視線、立ち位置を見てすぐセットする。ボールをもらって勝負する。高校の時、『相手の嫌がる状況判断をする』と日々、学んできました」
常に先を読みながらプレーし、木村季由監督にも「考えてプレーができる」と信頼される。身長180センチ、体重105キロとサイズにも恵まれ、接点周辺でのタックル、クリーンアウトなどポジション本来の仕事も全うする。準決勝ではLO鶴谷昌隆副将、FL水上彰太ら勘の良さと高い身体能力を長所とする筑波大FW陣と対決。谷の働きぶりは勝敗の鍵を握りそうだ。
東海大×筑波大の一戦は14時、キックオフ。
(文・向風見也)