国内
2012.11.23
【早慶戦】 「慶大らしく、勝つ。慶大らしさを越えて、勝つ」 茂木俊和主将
慶應義塾大の先頭に立つ茂木俊和
(写真:慶應スポーツ新聞会)
「出られないな」——。2年前の11月23日。秩父宮のスタンドから勝利の瞬間を目の当たりにし、そう感じた。だがその舞台が今、主将茂木俊和の目の前にはある。ここまで歩んで来た道は平坦ではなかった。けがもあり、昨年度までAチームでの公式戦出場はわずか1試合。今年度も春はけがのため欠場が続いた。そんな茂木にとって、もちろんこれが初めての早慶戦となる。「死にもの狂いでワセダを止めにいく」と気合いは十分だ。
慶大らしいFL。まさにそれが茂木である。低く刺さるようなタックルと、アタックでのフォローが持ち味だ。だが「慶大らしい」と称されることに甘んじてはいない。「らしくなさも欲しい」。タックルの精度を磨いた上で、さらに今以上にフィールドプレーでもチームに貢献していく。それが自身の理想のFL像だ。理想に近づくべく、茂木は今も日々精進している。
来る早慶戦に関して、「慶大らしく、勝つ」と意気込みつつ、「理屈ではないところが鍵となる」と言う。早大の猛攻を、魂のタックルで「慶大らしく」守ることは必須だが、それだけではいけない。「たとえ不利な状況下でも、越えないと勝てない」。「慶大らしさ」だけでなく、その先にある熱や勝利への執念。そういったものも全て力にしなければ勝利はない。茂木はそう考える。
自身もチームもともに「慶大らしさ」を体現し、さらにそれを越えて——。茂木俊和率いるタイガー軍団が、勝利をもぎ取るべく出陣する。
(文・慶應スポーツ新聞会 高橋茜)