W杯出場決めた男子7人制日本代表 瀬川ヘッドコーチらが世界見据える
アジア1位でのW杯セブンズ出場を決め、坂井キャプテンは帰国後の会見で笑顔を見せた
(撮影:BBM)
来年6月にモスクワであるワールドカップ・セブンズ(W杯)のアジア地区予選を兼ねたアジアセブンズシリーズ第4戦、シンガポールセブンズ(11月2〜3日)で優勝した男子7人制日本代表が5日、帰国。都内で記者会見した瀬川智広ヘッドコーチは、「世界で戦えるチームを作っていきたい」と今後の目標を語った。
大会2日目の決勝戦で香港代表を14−12と下し、同地区1位でW杯出場権を勝ち取った。10月14日、インドでのムンバイセブンズの決勝戦では、同じ相手に7−28と敗れていた。指揮官は、「ムンバイで負けているライバルの香港に勝った。嬉しく思っています」と話した。敗戦時は「目指してきたボールを動かすラグビーがまったくできなかった」が、再戦までに攻撃の方向性を再確認、ボール争奪局面で激しく身体をぶつける意識をより高めた。当日は前半を0−12とビハインドも、「前半にかなりボールを動かせて、香港に疲れも見えていた。やるべきことができたので、逆転できた」。坂井克行主将(豊田自動織機)も「ムンバイで香港に負けたことから始まったチーム。反省を活かせた」と口を揃えた。
W杯前の3月に、香港セブンズと東京セブンズを戦う。ここでは欧州や南半球などの強豪国と対峙する。「これ(今回の結果)でやっとスタートラインに立てたと思っている」と瀬川ヘッドコーチ。7人制ラグビーでは1日に強度の高い試合を複数こなす体力が必要だが、現状は「(世界的に実力がやや劣る)アジアレベルで走り勝つくらいのフィットネスしかない。もっと走らなければ」と分析する。力技に頼る傾向もよしとしない。国内では7人制専任の選手が限られており、身長188センチ、体重98キロのロテ・トゥキリ(北海道バーバリアンズ)ら外国出身の大型選手は必要不可欠と考える。しかし、「もっとスペースにボールを運んで(相手守備と)1対1の状況をたくさん作りたい。我々が持っているスピードで戦いたいと考えている」と展望を語る。
今後は現有戦力に新たな選手も加えて強化合宿を行いたいと語り、「まだ最終決定はしていませんが、香港セブンズを前に試合をたくさんできる環境を作りたい。それは国外になると思います」とも続けた。フィジーなどで多数ある7人制大会に参加し、拮抗した試合の経験を数多く積みたいようだ。
(文・向 風見也)