「原点に帰る」目黒学院が優勝 2019年度東京都高校新人大会
今年12月に開催される「第100回全国高校ラグビー大会」(花園ラグビー場)を目指した戦いはすでに全国で始まっている。
1、2年生が出場する2019年度の「東京都新人大会決勝」が2020年2月2日に葛飾区奥戸総合スポーツセンター陸上競技場でおこなわれた。
勝ち進んだのは、2017年度東京第1地区代表の目黒学院高、同第2代表・國學院久我山高。ともに全国制覇の経験を持ち、3大会ぶり花園を狙う両校の顔合わせになった。
試合は開始早々から目黒がパワーランナーの豪快な突破でトライを重ね計10トライ、60-12(前半 31-12)で圧勝した。目黒の東京制覇は花園都予選以来。両校は2月15日から開催の「関東高校新人大会」に出場する。
目黒は前半最初のアタックで久我山陣へ入ると、フォワードがつなぎFLソロモネ・フナキのゲインライン越えを機にゴール前へ。最後はLO川嶋凌太が中央インゴールへ運び先制した。7分、久我山は目黒のハイタックルを受け、PKから右22メートル線のラインアウトへ。きれいなオープンラグビーを見せ、左中間へFL田沼英哲がトライラインを越え、コンバージョン成功で7-7に追いつく。
しかしここから目黒は「原点に帰る。真っ向勝負で挑む」(竹内圭介監督)のラグビーを進める。14分、ラインアウト起点にLOシオネ・ポルテレへ渡り、ディフェンスを置きざりにしたトライで勝ち越す。20分にはゴール前でPKのボールをタップし自ら左中間へ運んだ。5分後にもトライを重ね、26-7とする。久我山が展開して1本返すと、リスタートからポルテレが取り切り、31-12で後半へ。
竹内監督が明かす。
「このチームがスタートした去年11月3日(都第1地区準決勝で東京高に28-31で敗戦)、小細工するラグビーはやめよう。フォワードの強みをいかした真っ向勝負でいこう、と決めました」
選手は後半も応えた。2分にポルテレの突破を機にトライ、7分はフナキが連続トライ。25分すぎから彼らをおとりに使い、CTB中村安利がファイブポインターとなる。最後は主将SH飯島乾太がハーフラインのスクラムから持ち出し栄冠を飾った。
「先週の試合(準決勝、早実に24-21で逆転勝ち)はなんと言うか、小さなラグビーをしていた。早実のディフェンスが良かったのですが。1週間、楽しむラグビーをしようと準備してきました。きょうは楽しんでいましたね」と竹内監督は話す。次の目標は、関東大会を勝ち進んで全国選抜出場だ。
敗れた久我山。土屋謙太郎監督は「まだまだ。目黒ということではく1対1のディフェンスでしっかりやろうと準備はしてきました。2人目3人目に差し込まれてトライを奪われた。一つ一つ基本を徹底して身につけて積み上げていかないと。関東大会に出るというのはおこがましい」と結んだ。