ラグビー版カガワ! 青学出身BK比企直久 ドイツリーグで奮闘中
ドイツ国内ラグビーのトップリーグ、『ブンデスリーガ1部』で注目されている日本人のニュースだ。
比企直久(ひき・なおひさ/27歳)。ラグビークラブ ホイゼンシュタム(RK Heusenstamm)でプレーし、地元近郊の新聞『Offenbach Post』に大きく取り上げられた。見出しには、『ラグビーのカガワ』の文字が躍った。
比企は初等部から大学まで、青山学院でプレーしたラグビーマン。大学4年時(2006年度)は副将を務め、SHとして活躍した。卒業後は一般企業で働きながら、クラブチームでプレーを継続。ドイツには、会社の研修で駐在中だ(今年4月から来年6月までの予定)。
所属するクラブは、ホイゼンシュタムという街にあるクラブチーム。知人の紹介で加わった。比企自身は街のことを、「関東でいうと、あきる野とか磯子といった、大きくはない町」と表現している。ブンデスリーガ1部の他チームにはプロとしてプレーしているニュージーランダーもいるが、同クラブは、メンバーのほとんどが地元で生まれ、育った若者。現在はシーズンのまっただ中にいる。先週末のゲームを終えた時点で1次リーグ(ドイツ西部リーグ)での戦績は5チーム中2位。ドイツ全国リーグ出場も決定した。
比企が新聞に大きく載ったのは、9月2日のルクセンブルグ戦前。『Offenbach Post』紙は、こんな内容で日本の若者を紹介した。
「日本ではオールカマーズというクラブチームでプレーしていた」
「会社の研修でドイツを訪れており、たまたまホイゼンシュタムを見つけた」
「ドイツ語は話せないため、英語でチームメイトとコミュニケーションを取っている」
「SHや両サイドのWTBでプレー可能」
そして、「ビールが大好きで、ラグビー版カガワ(香川真司/サッカー日本代表:独ドルトムント → 英マンチェスター・ユナイテッド)になりたがっている」という記載もあった。
本人は、大半が20代前半という若いチームを見渡し、「粗削りな部分も多いのですが、体格を活かした突進、スピードに乗った時の勢いは目を見張るものがあります。また、練習でももちろん飲み会でも賑やかなので、楽しくプレーできています」と語る。
ここまで公式戦4試合のうち、2試合にフル出場、2試合途中出場という比企。「足が遅いことがばれていないのか、ドイツ語でコミュニケーションが取れないことをマイナスに取られているのか、本職SHではなくWTBで起用されることが続いています」と笑うが、日本ラグビー特有のタックルは、現地でファンの喝采を浴びているそうだ。
「残念ながらトライはまだ獲れていませんが、体格に恵まれたドイツ人には経験のない(というか必要がない?)出足の速いツメのディフェンス、足もとに入るタックル。これは評価されていると感じています。つい先日、2セン(アウトサイドCTB)のウラで貰った相手FBの膝下に思いっきり外からタックルに入ったところ、試合後に観客から『Fire man!』と声をかけてもらい気をよくしているところです(笑)」
いま、ドイツでもっとも有名な日本人ラグビーマン(のはず)。エディーさんの目に止まることはないだろうが、現地ファンの心をつかみかけている。
現地新聞『Offenbach Post』に大きく取り上げられた“ラグビー界のカガワ”、比企直久
(画像は同紙公式サイトより)