三菱重工相模原WTBウィリアムズ 日本デビューで躍動!
日本のファンに雄姿を披露し、練習試合でいきなりトライを挙げたシェーン・ウィリアムズ
(撮影:井田新輔)
トップイーストディビジョン1(TE)の三菱重工相模原に今季加入の元ウエールズ代表WTBシェーン・ウィリアムズは、23日、同リーグ所属のクボタとの練習試合にベンチ入り(船橋・クボタグラウンド)。0−12とリードされた前半28分から途中出場し、後半14分にはトライを奪った。22−15の逆転勝利に貢献し、「ゲームを楽しめた」と語った。
身長170センチ、体重80キロという小柄な体格でテストマッチ世界歴代3位の60トライを挙げたウィリアムズは、当初、後半からの出場予定だった。先発SOデイヴ・ウォルターの負傷交代により外国人枠が空いたため、高岩映善監督は早めの投入を決断した。
試合前のチームのウォーミングアップ時は独自で調整し、前半途中からショートダッシュを繰り返すなど志気を高めたウィリアムズは、左WTBとして登場。「早い段階でゲームに関わりたい」。いきなり4人抜きを披露した。自陣やや深い位置の右タッチライン際からWTB大和田祐司がカウンターを仕掛け、中央にラックを形成。逆側で待つウィリアムズは、「自分によりスペースがもらえる」ようにとポイントと自身の間に味方選手を立たせた。相手守備を引き付けた仲間から球を受けると、鋭く駆け抜けた。対戦したクボタのWTB天坂裕也は、「(ウィリアムズが)カットイン(外側から内側に切れ込む走り)をしてきたので、内側にいた先輩にディフェンスを任せた。そしたら、そのなおさら内側をえぐられた。1歩目が凄かった」と振り返った。
後半14分は、三菱重工相模原が敵陣ゴール前左ラインアウトからモールを形成。それが右斜め前に進んだのを見て、右側に立っていたウィリアムズが左側のスペースへトップスピードで駆け込む。パスをもらってゴールラインを飛び越えた。もっとも「スコアを取ることには執着していません」と本人。キックチェイスなど黒子の動きもこなし、わずかなリードで迎えた終盤は、自陣ゴール前で粘り強く守った。「ゲームを楽しめた。三菱のラグビーが好き。特に最後の5分間は楽しかった。ディフェンスに魂があった。これはラグビーにとって大事なこと」と語った。
試合直後は長蛇の列をなしたファンと交流。写真撮影やサインを終えると5分ほど記者団の質問に応じた。チーム関係者の合図でその輪が解かれると、アイスバスでのクールダウンに時間をかけた。一時帰国後、7月29日からの合宿(北海道・北見)に2日目以降から合流予定。チームは2007年度以来となるトップリーグ(TL)昇格を目指す。
(文・向 風見也)