2015年へ向けサモア好スタート 若手主体でトンガとの接戦制す
日本と同じく、世界の上位を目指すサモア(青)とトンガ。PNCで再出発を切った
(撮影:BBM)
6月5日、17時からIRBパシフィック・ネーションズカップ2012の開幕戦となる「サモア×トンガ」が行われ、20−18でサモアがクロスゲームを制した。
前半からよく攻めたのはトンガだった。開始2分、サモアに自陣深く蹴り込まれたボールを争ったWTBアラスカ・タウファがノーボールタックルし、ペナルティゴール(PG)で3点を失いはしたが、その後はSOカート・モラス(今季からクボタに加入)、CTBアリパテ・ファタフェヒ、マフィレオ・ケフのフロントスリーでよく仕掛け、FBヴィリアミ・イオンギもよく走った。相手の反則を誘発して得たチャンスに6分、20分、35分とPGを重ね、前半を9−6とリードした。
ただ、試合後にSHタニエラ・モア主将が「点を取れそうなところで攻めきれなかったのが響いた」と振り返ったように、ポゼッションのわりにスコアが伸びずにリズムを失っていった。また、トウタイ・ケフHC(ヘッドコーチ)が「ハンドリングエラーが多すぎた。このチームが集まって時間がないこともあるが、プロの選手たちなのだからスキルは持っているはず。それを出し切れていなかった」と指摘したように、サモアにチャンスを与える機会も次第に増えていった。モラスは前後半とも2度ずつゴールを決められず、イオンギは決定的チャンスを仕留めきれず、失点につながるミスを2度した。
サモアは9人のニュー・キャッパーで試合に臨んだが、よくタックルし、粘り強く攻めた。SOロロ・ルイがセブンズ仕込みの仕掛けでたまに防御を突破する以外は、なかなか効果的に前へ出られなかったが、奏功したのは後半に入ってからのショートパントだった。2分、ショートパントを相手陣深くに蹴り込む。相手FBイオンギが蹴り出そうとしたところをSHガルエファ・ファラモエがチャージして拾い、トライで逆転(ゴール決まり13−9)。9分にもパントを蹴り、FBイオンギが処理ミス(ノックオン)したところをWTBデイヴィッド・レミが奪ってトライ、一気に差を広げた。
勝ったサモアのスティーブン・ベイサムHCは、「若い選手がよくやった。私たちは2015年(W杯)に向けてのメンバーで臨んだが、いいスタートを切れたと思う」と選手たちのパフォーマンスを評価。また、残る2試合に向けて経験豊富な選手たちも続々参戦することを明らかにした。