コラム 2019.06.25

【ラグリパWest】 テレビマン、高校ラグビーを愛す。宮前徳弘 毎日放送スポーツ局エグゼクティブ

[ 鎮 勝也 ]
【ラグリパWest】 テレビマン、高校ラグビーを愛す。宮前徳弘 毎日放送スポーツ局エグゼクティブ
ラグビーをこよなく愛する毎日放送スポーツ局エグゼクティブ宮前徳弘さん。このポーズは「ゴローマル」だそうです

 宮前徳弘56歳。
 名は「なるひろ」と読む。大阪にある毎日放送(MBS)で34年目を迎えた。
 その社歴は高校ラグビーとともにある。
「趣味です」
 笑顔の中の浅黒い肌が現場を、丸く黒い瞳が親近感を感じさせる。

 出張明けの6月14日朝、東京・羽田から青森に飛んだ。目的は東北大会。前週は関東大会にも行った。
 空港からバスとタクシーを使い、会場の新総合運動公園球技場に着く。

 左右の展開がわかるため、好きなインゴール裏に座る。隣には地元の紳士とおぼしき人物。どちらからともなく話しかける。
「その人は持っていたおにぎりをくれました。それに試合が終わったら青森の駅まで送ってくれた。聞けば、家は岩手で逆方向。そんなんがあるのはラグビーだけでしょう」

 一面識もなかった男性から食と車送りの善意を受ける。名刺交換をした。八木浩之。花巻東のゼネラルマネジャーだった。
「今は部員が13人っていうことでした。以前は黒沢尻北にもおられたみたい。岩手の公立の校長までされていたのに、花巻東に移られたようです。生き方が素敵ですよね」

 岩手にあるこの私立校は野球で名を馳せる。2人のメジャーリーガー、二刀流の大谷翔平や左腕・菊池雄星を生んだ。八木のラグビー部は4年前に本格始動している。
 黒沢尻北は、盛岡工、黒沢尻工の2強の間を縫い、5回の花園出場を果たした。

 そんな出会いを宮前は繰り返してきた。
「自分のラグビーはかじった程度」
 そう言って笑う。
 兵庫の県立伊丹から慶應大に進んだ。入局したのは1986年4月。営業に出た2年を除き、スポーツ一筋だ。

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