プール戦3戦全勝。サクラセブンズ、予選1位でノックアウトステージへ進出。

初日は3試合で116得点、19失点。2試合は完封勝ちだった。
女子セブンズ日本代表(以下、サクラセブンズ)がHSBCワールドラグビー女子セブンズシリーズ2019-2020にフル参戦できる権利を争う、コアチーム昇格大会の初日(4月4日)を3戦全勝で終えた。
メキシコに54-0と大勝した後、スコットランドに27-19と勝ち、ベルギーにも35-0。プール1位、さらに全体(12チーム中)のトップとなり、8チームで争うノックアウトステージに進出した。
ただ、安心はできない。3勝の内容を振り返ってみれば、立ち上がりの不安定さが気になる。特に2戦目のスコットランド戦は前半も後半も先手を取られた。
試合開始のキックオフ直後は、ミスから相手ボールのスクラムとなり、攻められた。右展開の攻撃で、タテに走り込んだハンナ・スミスにインゴールに入られる。なんとか逆転も、前半は10-7と競った。
後半の立ち上がりもミスが出た。自陣でのスクラムから攻める途中、パスをファンブル。そのボールを奪われ、ロナ・ロイドにトライを許す。10-14と逆転された。
最終的には動き勝って27-19。突き放しはしたが、ラストシーンはシンビンで2人を欠いて5人となり、トライも許した。気になるシーンだった。
3戦目のベルギー戦は、キックオフ直後の相手の攻撃をタックルで止め、小笹知美が2度のジャッカル。そこで得た2つのPKから2トライを奪い、主導権を握って完封勝ちを手にした。
しかし中村知春主将は、「ミスや反則でトライを許したり、攻め込まれたのが気になる。負けたら終わりの戦いを勝ち抜くには、そういうものをなくさないといけない」と、2日目に向けて気を引き締めた。
稲田仁ヘッドコーチは立ち上がりの不安定さについて、「ボールを動かす意識が強く、優位でない状況でも無理にボールをつなごうとして、ピンチになっていました」と分析し、「(3戦を終えての)レビューでも、最初は強いプレーをしていこうと確認しました」と改善点を口にした。
ノックアウトステージ初戦では香港と戦い、それに勝てばスコットランド×パプアニューギニアの勝者と戦う。
ファイナルの相手は、ケニア、アルゼンチン、ブラジル、カザフスタン(準々決勝/ケニア×アルゼンチン、ブラジル×カザフスタン)の中から勝ち上がってきた国。あと3勝でコアチームに返り咲く。
選手たちは積み上げてきたトレーニングに自信があるから、フィットネスに不安はない。試合を重ねたるほどに、その部分で相手に差をつけることができる、と信じる。
そのためにも、ミスも反則もせず、ボールを動かし続けられるかが鍵となる。稲田ヘッドコーチは、「4月下旬の(サクラセブンズも参加できる)北九州でのワールドシリーズで通用するプレーを準備してきたので、それを出して勝ちたい」と言った。
数々の修羅場を経験してきた中村主将は、「最後は気持ち」と言った。
「すごくいいものを持っている若い選手たちが力を出せるようにしてあげたい」
個々の特性を束ねて、負けられない戦いを最後まで勝ち抜く。
