国内
2012.02.26
東芝×ヤマハ 策を乗り越える型
ゴール前ラインアウトの直後に東芝のFWが組むモールに、ヤマハは「組ませない」策で挑んだ。空中で球を捕ろうとするジャンパーに、束となって圧力をかけたのだ。
序盤こそそのモールで2トライされるも、以後、飛んで相手と競り合う役目の選手も相手の結束を分断しにかかった。「無抵抗でやられるほど弱いことはないと思った」とLO八木下惠介。逆にラインアウトを競り合うときは、事前分析と現場の感覚を信じて、邪魔をした。向こうのNO8豊田真人主将は言う。
「ジャンプしている間にプレッシャーをかけられた。ラインアウトはサインコールを変えるなど修正はしたけど、最後まで…」
2012年2月25日、東京の駒沢陸上競技場。日本選手権1回戦を制したのはしかし、策でなく型だった。
ペナルティキックの際はラインアウトに頼らず、ボール保持者が突進。そんな修正で東芝は、後半16、20分に得点した。遡り19日、東京は秩父宮ラグビー場でのトップリーグプレーオフ準決勝でパナソニックに25−37と敗れてから、全局面を真っ直ぐ蹴破る本来の型を再確認していたのだ。結局、56−15で勝った。
(文・向 風見也)