海外 2019.01.20

茂野海人は「輝きを取り戻したい」。1月からフル回転。

[ 向 風見也 ]
茂野海人は「輝きを取り戻したい」。1月からフル回転。
サンウルブズのプレシーズン合宿からアピールしている茂野海人(撮影:向 風見也)

 日本代表の兄弟チームとも見られるスーパーラグビーのサンウルブズが、発足4シーズン目をスタートさせた。

 1月14日、千葉・市原市内の新たな本拠地で今季初の本格的な練習を実施。他選手が「予想より強度が高かった」と笑うなか、気を引き締めていたのは茂野海人だった。

「そういう練習をしないと勝てないのは、チームメイトもわかっている」

 初日に集まった30名中、日本出身者は7名。他の国内組の多くは、日本代表の方針などから休養や個別調整の最中だ。海外勢には新加入選手もいるだけに、2月中旬のシーズン開幕までにいち早くワンチームとなれるかが注目される。このチームに初年度から参加するSHの茂野は、こうも続ける。

「スタート時は外国人選手が多い。日本人選手はどうしてもコミュニケーションを取らないようになりがちなのですが、日本人選手から外国人選手へしっかりとコミュニケーションを取っていきたいです。早く仲良くなれば、練習中でももっとコミュニケーションが取れるようになる。グラウンド外でも外国人選手と話すようにしていきたい。早く名前を覚えられるように、名前を呼ぶようにはしています」

 トヨタ自動車に所属する、身長170センチ、体重78キロの28歳。NEC時代の2015年にニュージーランドのオークランド代表に選ばれ、2016年6月に日本代表デビューを果たすと、スコットランド代表を相手に胸のすくようなトライを記録した。もっとも近年は、田中史朗、流大との定位置争いに苦しむ。昨年11月にグロスターでおこなったロシア代表戦でも、32-27と勝ちはしたが自身のパフォーマンスには満足できなかった。

 今年はワールドカップイヤー。昨年12月中旬から多くの代表候補選手が休暇を得て、サンウルブズへの合流は概ね春以降とされている。それでも茂野は、サンウルブズ初加入の山下裕史らとともにプレシーズンキャンプから帯同。これは首脳陣の方針による決定だが、本人も願ったり叶ったりの様子だ。

「しっかりサンウルブズでアピールして、ワールドカップでやっていけるようにしたい。ゲームタイムが欲しい。(スーパーラグビーで)しっかり9番(先発)で出られるよう、練習中からハードワークする。ここ何年か、積極的に行けていないと思っています。スペースがあればもっとボールキャリーを増やし、(パスをする際は)テンポよくボールを出す。そのバランスを取ってやっていきたい」

 帰り際にぽつりと言った。 

「輝きを取り戻したいです」

 2016年のインパクトを再現すべく、新しい仲間とのコンビネーションを磨く。

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